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高品質カカオ生産で森林の環境保全を推進。バイーアのカカオ生産の取り組み

ブラジル カカオ

少しずつ世界的に認知されつつあるブラジル産カカオですが、生産者たちがたどってきたカカオ文化を守る道のりは、決して平坦なものではありませんでした。

20世紀初期、ブラジル・バイーア州は世界最大のカカオの生産地としてその名を馳せていました。

しかし、80年代後期から90年代初期にかけ、バイーア州のカカオ農園を襲った病気「バッソラー・デ・ブルーシャ(魔女のほうき)」によって、カカオ豆の生産量は半分以下にまで激減。カカオ農家たちは壊滅的な被害を受け、その多くの農園は放棄地となってしまったのです。

その窮地から這い上がるべく立ち上がったのが、現在、ブラジルの高級チョコレートブランドを代表する有志たちでした。カカオ史を築いてきたブラジルのカカオ農家としてのプランドと使命感が、彼らの原動力となっています。

彼らの目指すところは、持続可能な社会の実現に向け、イニシアティブを取っていくことだと言います。

「我々の取り組むプロジェクトは革新的なものです。マタ・アトランチカの生物多様性を保持する先駆者として、高品質のカカオを栽培することで、雇用を産み出し、その生活レベルの向上に努めることが、市場において最も価値があると考えています」

そして、高品質のカカオを元に、現在彼らが作っているのがTree to Barと呼ばれるチョコレートです。

Tree to Barチョコレートとは、カカオの木(Tree)の栽培からタブレット(Bar)作りまでの、すべての工程を一括管理されて作られる高級チョコレートです。

これまでは、カカオの生産国とチョコレート製造国、消費国は異なるのが一般的でした。しかし現在、カカオ生産国がカカオを栽培するだけでなく、チョコレートの製造までに関わる動きが生まれつつあるのです。

Tree to Barチョコレートが世界の潮流になりつつある中、世界第6位のカカオ生産国であるブラジルでも新たなTree to Barブランドが誕生しています。今回は、ブラジル産Tree to Barチョコレートの特徴とポテンシャルについてお話したいと思います(次ページへ続く)。

(写真・文/井川裕美子)

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著者紹介

井川裕美子 Yumiko Ikawa  2010年、ブラジル人との結婚を機に、ブラジル南部のサンタカタリーナ州に移住。大の甘党で、自称スウィーツホリック。特にチョコレートをこよなく愛する。地元のチョコレート工場で働いた後、自宅にてブラジル産有機カカオバターとカカオパウダーを使った高カカオチョコレート作りを始め、カカオのおいしさに目覚める。チョコレートの真髄であるカカオを肌で知るため、バイーア州イタカレのカカオ農園を訪れる。チョコレートを通じた日本とブラジルのさらなる交流拡大を目指し、チョコレート大使として、まずはブラジル産チョコレートを日本に普及すべく尽力中。

連絡先はyikawa79@yahoo.co.jp