ブラジルの国民的人気歌手チン・マイアの伝記映画の再編集版、テレビで放送。未公開映像も追加

2015年 01月 2日

チン・マイア映画

グローボインターナショナル(日本ではアイピーシーTVで放送)では、ブラジルを代表するシンガーソングライターのひとり、チン・マイア(1998年に他界)の人生を描いたミニシリーズを、前後編の2部構成で放送する。

パート1が1月2日(金)、パート2が1月3日(土)、両日とも22時20分ごろ(テレノヴェラ「インペリオ」の後)から放送される。同シリーズは本国ブラジルでは1月1日(木)に第一部が放送され、第二部が2日(金)に放送される。

このミニシリーズは、2014年10月30日に公開されたグローボシネマ制作の映画「チン・マイア~ヴァーリ・オ・キ・ヴィエール」(監督:マウロ・リマ)に未公開映像を加えて再編集したもの。

チン・マイアを演じるのはテレビ・グローボの青春ドラマ「マリャサォン」で2001年にデビューしたバブ・サンタナ。以降も数々のグローボのノヴェラやミニシリーズや映画(「シティ・オブ・ゴッド」など)で活躍している。

チン・マイアのバンドメンバーでもあり、映画ではチンと長年行動を共にする音楽家ファビオを、カウアン・ヘイモンが演じている。

テレビ版ミニシリーズでは、映画では使われなかった貴重な60年代、70年代の写真や映像、ホベルト・カルロスやエラズモ・カルロス、ネウソン・モッタ、ファビオ、エドゥアルド・アラウージョ、カエターノ・ヴェローゾ、チンの姉妹ルイーザ・モッタなど近親者、合衆国でバンドを組んでいた仲間ロジャー・ブルーノといった関係者のインタビューなどが挿入されている。

エラズモ、ホベルト、チンたちがボサノヴァに影響を受けるくだり、合衆国でソウルミュージックの洗礼を受けたエピソードなど、映画では説明不足だった部分をこれらの関係者コメントが補っている。テレビ版ミニシリーズの監督はフィリッピ・ルイス・サー。

ちなみに映画「チン・マイア」のストーリーは、評論家、プロデューサーのネウソン・モッタが記したチン・マイアの伝記「ヴァーリ・トゥード」がベースになっているとされているが、同書とは異なるフィクションと思われる経歴がいくつか描かれていた。特に、暴力に関する描写は事実とは大きく異なるようだ。

反面、描かれていないことも多く、映画の公開後、チン・マイアと所縁の深かった音楽家やその家族が映画についてメディアやSNSで事実と異なる点が多いことを指摘して波紋を呼んでいた。

2時間20分と長尺であるにも関わらず、映画はチンの人生を駆け足で描いており、スキャンダラスな一面が強調され、彼の人柄がほとんど描かれていない。

チン・マイアのバンドで活躍した音楽家の一人ベト・カジュエイロの息子カルロス・カジュエイロも、SNSで同映画の台本に異を唱えて話題になった(次ページへつづく)。

(文/麻生雅人、写真/Divulgação)
グローボインターナショナルの視聴問い合わせは03-4510-0770まで

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