2014年 12月 26日 08:30
リオデジャネイロ市南部(ゾナスウ)のボタフォーゴ地区モーホ・サンタマルタは、ファヴェーラに常駐する治安維持部隊UPP(ウー・ペー・ペー)が最初に設置された街。以降、治安維持部隊UPP(ウー・ペー・ペー)はリオのさまざまなファヴェーラに次々と設置されている。
治安維持部隊UPP(ウー・ペー・ペー)設置後、治安が回復した街もあれば、新たな抗争の火種を生んだり別の問題が生じているところもあるようだ。
しかし、2008年に設置されてから6年が経つサンタマルタでは、部隊の常駐後は殺人事件が起きておらず、経済活動も活発に行われるようになっているという。リオデジャネイロ州政府が12月19日に広報した。
「私たちの使命は、住民のみなさんの生活の質をよりよくすることです」とサンタマルタUPPのマルシオ・ホッシャ隊長は語る。
今ではサンタマルタへは多くの観光客が訪れるようになった。地域内にある28カ所の観光スポットには、ひと月に約1万人が訪問するという。
モーホ・サンタマルタをはじめリオ市内のファヴェーラの多くはモーホ(丘)の上にあり、見晴らしは抜群なところが多い。
観光客の増加は地元住民の収入の増加をもたらすだけでなく、住民たちの意識も変革しつつあるようだ。観光客を迎える住民たちはよりサービスの質を上げて、観光客の希望に応えよう考えるようになった。
州政府や、リオ州開発局(AgeRio)、中小零細企業支援サービス機関(SEBRAE)など協力団体などのサポートを受けて無料で開催されるビジネスオリエンテーションに参加して、ノウハウを学び、地元で商売を始める住民が増えた。同時に地元での雇用も生まれている(次ページへつづく)。
(文/麻生雅人、写真/André Gomes de Melo)
写真は土産店を覗く観光客のマリーナ・リマ・イ・シウヴァさん(左)とフェルナンダ・ゴメスさん
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