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「収賄もみんなでもらえば怖くない!?」だったブラジルの今後

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4月12日に2回目の反ジルマ(ジウマ)大統領・反PT(労働者党)のデモが(ブラジル)全土で行われた。200万人近くを動員した前回ほどの盛り上がりには至らなかったが、ブラジル全土で70万人が参加した。

デモへの参加動機の第一は、巨額な贈収賄行為に対する怒りである。労働者の代表、貧しい人の味方であったはずの労働者党が政権に就いた途端、自分たちの利益確保に走り、大泥棒と化してしまったことへの抗議である。

すでに現政権は12年続いているので遅きに失するところもあるが、特にそれなりの知識・所得階層で労働者党を応援していた層は一気に離れているようだ。昨年(2014年)末の大統領選でジルマ(ジウマ)・ルセフ現大統領に投票したことを後悔しているのではないか。

4月9-10日に調査会社「ダッタ・フォーリャ」が全国2834人を対象に行った調査において、60%が現政権を悪いと考えており、63%は議会が弾劾すべきと思っているという結果が出た。大統領の支持率も13%にしか過ぎない。さらに注目すべきなのは、現役時代に70%もの支持率を誇ったまま3選禁止の憲法により、ジルマ(ジウマ)・ルセフ女史にその座を譲ったルーラ前大統領の人気も翳りを見せ、18年の次期大統領選で誰に投票するかという質問では29%の2位に沈んだ。第1位は33%で昨年の大統領選にて僅差で破れた最大野党のブラジル社会民主党(PSDB)党首のアエシオ・ネーベス(ネーヴィス)氏であった。

国民を怒らせた政治家の贈収賄事件は、まだ全容のほんの入り口のところに過ぎないようだ。

ペトロブラスを舞台にした巨額の贈収賄事件で、政治家を含めてようやく逮捕者が出始めたが、PTの中央会計担当であったジョアン・バッカーリ・ネット容疑者が逮捕されたことにより、一気に検察は本丸に手をかけることになる。さらに3人の元下院議員も逮捕され、贈収賄の舞台は、ペトロブラスから保健省、連邦貯蓄銀行へと広がっていくことになった

サンパウロ州では、パウリスタ都電公社(CPTM)の07年から08年に結んだ車両や資材購入契約を巡るカルテル疑惑で企業の役員や職員が起訴されている。さらには、ブラジルサッカー連盟(CBF)の新会長が、わずか1年の間にオリンピック会場となるバッハ(バーハ)地区で高級マンション2軒を入手したことから疑惑の目が向けられ、就任会見は苦しい釈明の場となってしまった

このようにこれまでのブラジルは、民間であれ、公共であれ、カルテルや贈収賄は「みんなで渡れば怖くない」と当たり前であったことが伺える。中国やインドネシアなどにおいてもよく問題になっているが、新興国から先進国へ至る政治・経済的に通過すべき試練ともいえるだろう。日本においても戦後数々の事件があり、検察と政治家・企業が何度も闘いを繰り返しながら、今に至っている。

ブラジルも今回の事件でどこまで検察が追及できて、「みんなで渡っても怖い」という少しはまともな方向の社会通念が浸透するかが問われている。下手に軍政に振れたり、共産化せずに、今の民主主義のまま次のステップに進めれば、経済的にもまだまだ成長の余地は十分にあるはずだ

(文/輿石信男/クォンタム、記事提供/モーニングスター、写真/Lula Marques/Fotos Públicas)
写真は4月12日、ブラジリア

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