第4回黒人の文化的遺産に対する自覚と自負、性別、人種についての省察週間と、第2回黒人研究家ブラジル大会中西部版、ブラジリアで開催

2015年 11月 8日

黒人人権 ブラジル

ブラジルで暮らす黒人に関するさまざまなテーマが、ブラジリア連邦教育科学技術院(IFB)による第4回黒人の文化的遺産に対する自覚と自負、性別、人種についての省察週間(Sernegra)と、第2回黒人研究家ブラジル大会中西部版(Copene CO)にて議論される。

両イベントはブラジリア南部のシネブラジリアにて、11月4日(水)から始まっている。

第4回黒人の文化的遺産に対する自覚と自負、性別、人種について省察する週間(Sernegra)のトータル・コーディネイターのひとりグラウコ・ヴァス・フェイジョーは、この活動がはじまったのは2012年からで、人種問題について議論する必要があるとブラジリア連邦教育科学技術院(IFB)の研究員たちが望んだことから始まったと紹介した。

今年のイベントでは、ブラジルにおける人種に関する論争と、法的な側面、教育、文化、アートがテーマとして取り上げられ、マリア・フェリッパにオマージュがささげられる。

「バイーア州では黒人の英雄として知られていますが、他の地域では広く知られていません。黒人女性のフェミニズム運動にとって重要な存在です」(グラウコ・ヴァス・フェイジョーさん)

グラウコさんにとってこのイベントは、優先して考えるべき課題である人種差別との闘いを強化するのための、またとない機会だという。

「それは、より公正でより調和が保たれた社会のための、構造的な変化です」(グラウコ・ヴァス・フェイジョーさん)

黒人人権 ブラジル

人種平等推進政策局のルシアーナ・ジ・ソウザ・ハモス副長官は開会式に参列、黒人研究家ブラジル大会(Copene)の12のワーキンググループの研究者による議論が行われることの重要性を強調した。

「差別是正措置(アファーマティブ・アクション)の議論だけでなく、大学内に知識を生み出し、構築する他の方法を強化するべきです」と、ルシアーナ・ジ・ソウザ・ハモス副長官はポリシー策定を具現化するための議論の重要性を説いた。

ブラジル黒人研究者協会のパウリーノ・カルドーゾ代表は、黒人研究家ブラジル大会(Copene)は議題の準備を行うために研究員を動員することも目指すと語った。

「何を提言すべきなのかといえば、学術的な組織内での人種差別への対象法について考えることでしょう」(パウリーノ・カルドーゾ代表)

今回提言されたことは、来年(2016年)、黒人研究家ブラジル大会(Copene)全国版に反映される。

ジェフェルソン・デ監督

開会式の間、黒人映画監督ジェフェルソン・デの映像2作品、黒人作家カロリーナ・ジ・ジェズースの伝記短編映画「カロリーナ」と、長編映画「ブローデル」が上映された。「ブローデル」は3人の友人を通して異なる社会階層の差や人種差別、暴力などの問題を描いた作品。ジェフェルソン監督は、ブラジル映画において黒人の描かれ方は見直されてつつあるが、まだまだ改善の余地があると述べた。

「ブラジルの黒人は多様性に富んでいますが、映画の中でそれは表現されているとはいえません。黒人女性の描き方は、特にそういえます」(ジェフェルソン・デ監督)

ジェフェルソン・デ監督にとってこのふたつのイベントにおける黒人を議題にした討論はすべての人にとって重要だという。

「学生、若者、黒人の男女だけでなく我々は今日、ここにいます。ブラジルの歴史にかかわった人たちの多様性、それこそが私たちの歴史なんです」(ジェフェルソン・デ監督)

第4回黒人の文化的遺産に対する自覚と自負、性別、人種について省察する週間(Sernegra)と、第2回黒人研究家ブラジル大会中西部版(Copene CO)は11月8日(日)まで開催される。閉会のとき参加者は、連邦直轄区を取り巻いているゴイアス州のシダージ・オシエンタウ市にあるキロンボ・メスチッサォンを訪ね、対話を行う予定。

(記事提供/Agência Brasil、写真/Fabio Rodrigues Pozzebom/Agência Brasil (04/11/2015))