2016年オリパラ開催地のリオに「明日の博物館」がオープン

2015年 12月 21日

明日の博物館

2016年のオリンピック・パラリンピック開催へ向けて開発が進められているブラジル、リオデジャネイロ市港湾地区のマウアー広場に、現地時間の12月17日(木)、新しい博物館「ムゼウ・ド・アマニャン(明日の博物館)」がオープンした。

現地メディア「グローボ」では、10ページの特集冊子を出したうえに紙面に大きく取り上げ、他のメディアでも話題となっている。

一般公開されたのは、12月19日(土)。公開を記念して19日(土)の10時から翌20日(日)の18時まで、36時間ぶっ通しでのイベントが広場で開催された。

この新たな博物館、まず目に飛び込んでくる特徴は、なんといってもその外観だ。革新的なこの建築は、スペイン人建築家サンチアゴ・カラトラヴァによって手掛けられた。リオデジャネイロのジャルジンボタニコ(植物園)に咲くパイナップル科の植物「アナナス」からインスパイアを受けて設計したものだという。

また、博物館内、対話型ゾーンや360度鑑賞できる映画館や、講義や芸術的プレゼンテーションのための約400席の講堂、600㎡の展示会場を完備。障害をもつ来場者のための設備も整えられている。

明日の博物館

さらには、パノラマの景色を望むレストランも併設しており、博物館の裏にある約3トンものアルミ片でできた星型モニュメントを眺めながら食事もできる。

港湾地区ということもあって周りは海。博物館自体も広大なプールに囲われており、博物館の周辺を散策をするだけでも心地がいい。リオ市民はじめ、訪れる人々の憩いの場になりそうだ。

そしてすぐ近くには、2013年にオープンしたリオ美術館(MAR)もあるので、同日に2つの施設を楽しむこともできる。

博物館によれば、ムゼウ・ド・アマニャン(明日の博物館)は従来からある博物館とは一線を画する科学博物館とのこと。アイディア、探求、私たちが生きる上で大きく変化する時間と将来のために、開かれたさまざまな道について考えるための場所を目指して作られたという。

名前になっている “アマニャン(=明日)” とは、カレンダー上の日付や我々が行き着くところを意味するわけではなく、人として、市民として、人類のメンバーとして、全ての人々が参加できる施設であることから名づけたという。

また、ムゼウ・ド・アマニャン(明日の博物館)の建設は、リオのセントロ地区(旧市街区)の開発促進を目的とした「ポルト・マラヴィーリャ」都市プロジェクトの一環でもある。

現在約3万人の居住者を持つこの地区は、新たに7万人を受け入れられるようになるという。

リオデジャネイロ港湾地区都市開発会社代表のアウベルト・シウバ氏は、このプロジェクトに8億レアルを費やすと述べている。

ムゼウ・ド・アマニャン(明日の博物館)の開館は、火~日の10時~18時まで(最終入場は17時)。
アクセス:メトロ「ウルグアイアーナ」駅より徒歩約15分。
Praça Mauá, 1 – Centro. Rio de Janeiro, RJ(セントロ、マウアー広場1)
入場料:一般10レアル。21歳までの方、学生、障害を持つ方、リオデジャネイロ市公務員および市民、サンタンデール銀行クライアントは、半額の5レアル。公立学校の生徒と教師、5歳までの幼児および60歳以上の人は無料。※火曜は入場無料

(写真・文/柳田あや)