• MEGA★BRASIL 公式twitter
  • MEGA★BRASIL 公式facebook
ブラジルの新鮮なニュース、コラムを独自の目線から楽しくお届けします。もっとブラジルのことを知ってもっと好きになろう!

ブラジル野菜で被災地に笑顔を…宮城県名取市で料理イベント開催

マンジョッカ

東日本大震災で津波による甚大な被害を受けた宮城県名取市の住民約15名が、群馬県の農園をバスで訪問れ、キャッサバ芋(マンジョッカ芋)などブラジル野菜の収穫体験やブラジル料理を一泊二日で楽しんだのが約1年前、2016年11月のこと。

ツアーの参加者のほとんどは仮設住宅で暮らすお年寄りで、震災以降、初めて自費で旅行に出たという方がほとんどだったという。農作物の収穫を体験したほか、ブラジルの名物焼肉料理シュハスコや、サンバのパレードなどを堪能した。

イベントを主宰したのは地元の一般社団法人ふらむ名取。名取交流センターと、群馬県のブラジル人コミュニティとのつながりが深い国際交流団体KIMOBIGが協力した。KIMOBIGは、ブラジルと日本との交流を目的に活動する団体だ。名取交流センターでボランティアとして地域のために働く日系ブラジル人のミリアンさんと、KIMOBIGの代表を務める松橋美晴さんが知り合ったことがきっかけで、この企画が立ち上がったという。

「『ブラジル』という国にみなさんが思い描くイメージには、<明るくて楽しそう>というものがあると思いますが、ブラジルに住んだり長く携わっていると決して<明るく楽しい>だけではなく辛いことも多いと感じます。ただそれでも、この国がとびぬけた明るさやおおらかさを持っているのも事実です。なので、『ブラジルはみんなを元気にする』っていうのはあながち間違っていないと思いますし、難しいことを考えずに<明るく楽しくなってもらう>ために『ブラジル』が求められることは、幸せなことだと思っています。そして私たちには、それができるんだと信じています」(KIMOBIG・松橋美晴さん)

宮城 群馬 ブラジル 交流 kimobig

そんなふうに<ブラジル>でつながった縁ではあったが、松橋さんにとっては個人的にも、名取市の人たちとの出会いは特別な出来事となった。

「私は東北の青森県出身なので、自然にでた東北訛りで話しかけたこともあって、みなさんとどこかもっともっと深いところで繋がっているような、温かい感情が私の中に芽生えました」(同)

このツアーをきっかけに、名取市の住民たちとKIMOBIGとの交流がはじまった。

「彼ら自身が作ったイベントの宣伝用のフライヤーに、『もう被災者ではないんだ』というフレーズがあのを見たとき、まだまだ心の傷が癒えない中でも、前を向いて歩んでいこうというしっかりした意志を感じてました。私たちにできる限りのことはなんでもやっていこうと思いました」(同)

今年(2017年)の春には、今度は名取市閖上をKIMOBIGが訪ねてブラジル料理教室を開催した。料理教室は名取交流センター、ゆりあげ港朝市協同組合、ふらむ名取の共催によって行われ、子どもからお年寄りまでが参加して、タピオカココナッツゼリーなど、珍しいブラジルの料理やデザートを作って楽しんだ。

ブラジル料理教室

そして今年の9月。松橋さんのもとへ嬉しい知らせが届いた。

去年(2016年)のツアーではじめてブラジルの野菜と出会った参加者の中の何人かが名取市でブラジルの野菜を栽培し始め、初めての収穫がこの9月に行われたという知らせだった。ジロー(苦味のあるなすの一種)とマシシ(ウリ科の野菜)というブラジルではおなじみの野菜が収穫され、これらを使ったブラジル料理を作って皆で食べているという。

写真と共に、一通のメッセージが添えられていた。それは、名取市に住むブラジル人の方からのものだった。

メッセージには、『かつて、日本から移民でブラジルに渡った人たちが日本から沢山の野菜の種を持ってきてくれ、野菜を食べる大切さをブラジル人に伝えて来ました。今度は私たちが名取でブラジル野菜を栽培することで、少しでも復興に繋がればと思っています』と書かれてあった。。

「時代も国も超えてみんなで手を取り合っているんだと、そのすべてのつながりに感謝できた瞬間でもありました。私たちにできるのは野菜を通しての出会いですが、そんな小さなことでも幸せや生きる希望、そして未来を描けるんだと思うと、涙が止まらなくなりました」(同)

そして今月(10月)29日、KIMOBIGは再び名取市閖上でブラジル料理のイベントを開催する。今回は、常時世界30カ国の料理が楽しめるという地元の人気酒場「世界のごちそう酒場らふぃんぐ」で、ブラジル料理における主食の一つ、キャッサバ芋(マンジョッカ芋)の、さまざまな食べ方を紹介する。

キャッサバ芋は、日本をはじめアジアではタピオカのもとになるデンプンがとれる芋として知られるが、ブラジルでも主食のひとつとして親しまれている。とりわけ名産地のひとつであるアマゾン地方では、地元の文化や歴史とも深いつながりのある重要な食材だ。

「アマゾン地方では先住民が代々伝えてきた多様な調理法があります。葉っぱをすり潰しお肉と煮込んでゴハンにかけてカレーのように食べたり、搾り汁を発酵させて調味料にしたり、澱粉を焼いてクレープのようにしてみたり、擦り下ろしてから炒め、ポリポリとした食感を出す付け合わせの粉にしたり…。もちろん、、フライドポテトのように素揚げにしてもホクホクしていておいしいですよ。そんな、信じられないほどの七変化を遂げるキャッサバ芋のいろいろな料理を紹介します」(同)

イベントの詳細は下記。

マンジョッカ 料理教室

日時:2017年10月29日(日) 12:00~14:00

場所:世界のごちそう酒場らふぃんぐ(宮城県名取市増田2丁目3-11 山路ビル2F)
仙台空港線名取駅東口 徒歩5分

参加費:3500円

予約・問合せ:鴇田ミリアン由美子(日本語・português)
090-8922-7478
miritoki@yahoo.co.jp

予約締切10/27(金)

主催:一般社団法人ふらむ名取
協力:世界のごちそう酒場 らふぃんぐ
KIMOBIG BRASIL (http://kimobig.jp
ブラジル食材のセレクトショップ BRASIL KITCHEN(brasilkitchen.jp/

(文/麻生雅人、写真提供/KIMOBIG BRASIL)

■関連記事
貧富の差が大きな国!? ブラジル
遅刻社員に「国歌斉唱」させたコーヒー大手企業に賠償命令
フロリダのハリケーン被害でブラジル産オレンジ価格が上昇
ブラジルの美術館で115名が「裸アート」に挑戦
ブラジルのガソリン価格、年初来最高値に

このエントリーをはてなブックマークに追加