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ブラジルの美術館で115名が「裸アート」に挑戦

裸アート

2016年のリオデジャネイロオリンピック・パラリンピックの開会式・閉会式はブラジルが芸能大国であることを世界に知らしめたが、リオのみならず、ブラジル各地でアート活動は活発に行われている。

その中でもひときわ注目を集めているのが、日系2世の写真家、カズオ・オオクボさんの作品だ。

グローボ系ニュースサイト「G1」が伝えたところによると、去る9月2日の朝、オオクボさんの写真撮影のために、115人の裸の男女がブラジリアにある共和国美術館広場に集まったという。

ブラジリア生まれのオオクボさんは43年のキャリアを持つ写真家で、芸術的なヌード写真で知られている。

雲一つない空の下、セメントとコンクリート造りの広大な広場で写真撮影は始まった。

20メートルの高さからクレーンを使って行われた撮影では、115人の被写体は図形や文字を象った。写真撮影の様子はドローンを使って記録された。

ブラジリア連邦区は政治の中心地。ブラジルの中で背広とネクタイを使った人が最も多く集まる場所だ。そこで裸体写真を撮る意図について、オオクボさんは次のように語っている。

「ブラジリアという街に対する偏見に異を唱えたい気持ちと、芸術・文化・政治的な表現の手段として我々の肉体が選択肢になりえることを再確認したいという気持ちがあります」(オオクボさん)

裸の男女の団体を被写体とする提案をしたディエゴ・ポンセ・デ・レオンさんはこう語る。

「アートの世界にとって近寄りがたいイメージを持つブラジリアと、裸の男女が作るパノラマという原始的なモチーフのコントラストを見せたかったのです」(デ・レオンさん)

オオクボさんのブラジリアでの裸体集合写真プロジェクト「フォトーナ」を後押ししたのは、7月15日、同じ場所で裸体パフォーマンスを行ったパラナ州出身のアーティスト、マイコン・ケンピンスキ(マイコン・K)さんが軍警察に連行されたという事件だ。

(次ページへつづく)

(文/原田 侑、写真/Kazuo Okubo/Divulgação)

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