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ブラジル先住民の椅子作家マイヤワリ・メイナクさんが来日

マイヤワリ・メイナク 先住民 椅子

現在、東京都庭園美術館で開催中の展覧会「「ブラジル先住民の椅子 野生動物と想像力」」の開会式に出席するため、先住民の椅子の作家のひとりであるマイヤワリ・メイナクさんが来日した。

マイヤワリさんはアルアク語を話すメイナク族の一員だが、ブラジルの公用語であるポルトガル語のスピーカーでもある。

「ブラジル先住民の椅子の価値を認め、展覧会の開催に尽力してくださったすべてのみなさんに感謝いたします。私たちは、私たちの文化をみなさんに知っていただきたいと思います。今日、開会式に招へいしていただいたことにも感謝いたします。木製の椅子の文化は日本の工芸の伝統的な技術にも通じるところがあるのではないかと考えています。また、この展覧会は、私たち先住民にとって、世界とつながる扉であると思います」

マイヤワリ・メイナク 先住民 椅子

開会式後、マイヤワリさんにメイナク族と椅子について、話を伺った。

「私はメイナク族の部族と共に、シングー先住民公園内の居住区で暮らしています。“シェピー”と呼んでいる木彫りの椅子を作るアーティストです。メイナク族の椅子づくりは、父から子へ代々、受け継がれていきます。私の兄弟もすべて椅子を作ります。長い時間をかけて椅子づくりを学びました」

ブラジルの先住民が作る椅子は基本的に切り倒した丸太を削りだして作る一木造りだ。部族の長やシャーマンなどが座る特別のものから生活の中で使うものまで、用途や形はさまざまだ。

「メイナク族の場合、題材はシングーの森にいる動物たちが多いですね。それぞれの動物の特徴を捉えたものです。何を作るかは作家次第です。私は鳥や動物、魚などを作ります。アリクイ、バクもよく作られる題材です。私が作った中で一番むつかしかったのはジャガーです。表情を作るのがむつかしいですね。ジャガーは私たち先住民にとって特別な生き物です。ジャガーの皮で作った衣と爪で作った首飾りを、部族の酋長のみが身に着けることを許されるのです」

椅子に描かれる幾何学的な紋様は、婚姻の状態を表わす模様、儀式のための模様など、用途によっても異なるという。この紋様はボディペインティングの紋様や、器など他の道具に描かれるものと共通しているものもある。

「紋様にもさまざまな意味がありますし、部族によってもそれは異なります。同じシングー先住民公園で暮らしているカヤポ族には彼ら独自の紋様があります。私たちメイナク族が使う紋様の中にはジャブチ椰子をデザインしたものなどがあります」

この椅子は、すべて森の恵みによって作られている。

「私は主にピラニェイラという木を使います。とても強い木です。他にもリシェイラ、スクピーラなどの木を使います。どの木を使うかは作家次第です。絵や模様に使う染料も自然の中から得たものです。黄色はペキ、赤はウルクンやマンワタンの木、黒はイウリロの木や炭を使います。また、椅子は椅子は儀式や祭りにも使いますが、そのときは座面を輝かせるためにペキの実の油を使います」

ペキといえば主にセハード地帯に自生する木で、実は食用になる。鶏肉や米と混ぜ合わせてピラフのようにして食べる郷土料理が有名だ。

「シングーの森にもペキの木はたくさんあり、私たちの生活にとても身近なものです。実の収穫は11月ごろで、ぺキーのミンガウ(お粥状にしたたべもの)は私たちのソウルフードです」

椅子は先住民を取り巻く自然とつながっている。

「自然界、精霊の世界と人間を繋げてくれるのが椅子なのです」

先住民 椅子

「ブラジル先住民の椅子 野生動物と想像力」は6月30日(土)~9月17日(祝・月)まで東京都庭園美術館にて開催。

開館時間:10:00 ~ 18:00(入館は閉館の30分前まで)
※7月20日 ~ 8月31日までの毎週金曜日は夜21:00まで開館(入館は20:30まで)
休館日:第2・第4水曜日(7月11日、7月25日、8月8日、8月22日、9月12日)
会場:東京都庭園美術館 本館+新館ギャラリー1
アクセス:東京都港区白金台5–21–9
[目黒駅]JR 山手線東口/東急目黒線正面口より徒歩7分
[白金台駅]都営三田線/東京メトロ南北線1 番出口より徒歩6分
入館料:一般1,200(960)円 / 大学生(専修・各種専門学校含む)960(760)円 / 中・高校生600(480)円 / 65歳以上600(480)円 ※( )内は前売りおよび20名以上の団体料金。
美術館HPはhttps://www.teien-art-museum.ne.jp/。

(写真・文/麻生雅人)

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