ブラジルの国民的炭酸飲料「ガラナアンタルチカ」はどうやって作られているの?

2018年 01月 29日

ガラナ アンタルチカ

ブラジル国内で最もよく飲まれている飲み物のひとつがガラナの炭酸飲料。中でも最もなじみ深いブランドがガラナアンタルチカです。

このガラナアンタルチカがどうやって作られているのか、「ハフィントンポスト・ブラジル版」が紹介しました。

原料であるガラナの果実は名産地であるマウエースの生産者によって、今でも手作業で栽培、収穫されているそうです。マウエースはマナウスから253km離れたアマゾナス州にある町で「ガラナの郷」として知られています。

人口6万人に満たない町ですが現在でも2,000人以上のガラナ生産者がおり、毎年約300トンの果実を出荷している世界最大のガラナの生産地です。ここで生産されたガラナはブラジル全土だけでなく、アメリカ合衆国、スイス、ドイツ、サウジアラビア、日本など、49ヶ国に輸出されているそうです。

ガラナアンタルチカは、このガラナの果実を使ってさまざまな生産工程を経てスーパーマーケットの棚に並びます。

その生産工程はというと…。

まずは、ガラナの木の植え付けから始まります。

飲料メーカー、アンタルチカの親会社アンベブはガラナの苗を生産者に寄付しているそうです。苗が最初の実をつけるのに平均で3~5年かかるのだそうです。

果実の収穫が行われるのは年に1度。10月から翌年の2月の間に行われます。ガラナの生産はマウエースの主要産業のひとつで、収穫は全ての農家にとって待ちに待った瞬間なのです。

収穫は手作業で、実が木から地面に落ちる前に行わなければなりません。

収穫が終わると、次の作業は種子の仕分けです。

果実を、黒く丸い種子の部分、赤い皮の部分、白い果肉の部分に仕分けをします。ガラナアンタルチカの原料となるのは、黒い種子の部分。この仕分けも、もちろん手作業で行います。

仕分けの後は洗浄作業です。

洗浄された種子は巨大な木製の釜で焙煎されます。コーヒーの生産に似たプロセスです。種子は焦げないように常に攪拌しなければなりません。

続いて、焙煎された種子を袋詰めにします。袋詰めにされた種子は2年まで保管することができるそうです。

そして炭酸飲料の製造過程に入ります。

種子を粉砕してエキスを抽出します。このシロップは栄養分などが濃縮されたとても強力な抽出物です。これがガラナアンタルチカのベースとなります。

テストされ承認を受けた後、シロップに、炭酸水、砂糖、香料、キャラメルの着色料などの材料と、“ガラナの秘密の味”が混ぜられて、ガラナアンタルチカが出来上がるのです。

この、“ガラナの秘密の味”のレシピを知るのはなんとアンベブ社内でも、たった2人の従業員だけなのだそうです!

(文/脇美咲、写真/Divulgação)
画像は2016年のガラナアンタルチカのリオデジャネイロでのキャンペーン用図版。広告代理店はF/Nazca Saatchi & Saatchi、クリエイターはFabiano Higashi、André Brandão、Pedro Gabbay