バイーア州サルバドールで、“女性とキスができる秘密の青いネックレス”を目撃

2013年 10月 6日

前回ご紹介した北東部地方ペルナンブッコ州に続き、今回は同地方最大の都市であるバイーア州の州都サルバドールをご紹介したいと思います。

ブラジルの中でも5本の指に入る多くの人口を誇り、またアフリカ系文化が色濃く残ったその街並みや人々の素顔は、日本の皆さんが持つブラジルのイメージに合致するものも多いのではないでしょうか。その歴史は非常に古く、ブラジル建国後最初の首都となった由緒ある街でもあります。

先ずは何といっても有名な、セントロ(旧市街)にあるエレベータ。北東部の美しいブルーが際立つ海を見下ろすその眺めに、いつも多くの観光客で賑わっています・・と言いたいところなのですが、実はエレベータ自体は窓がなく、エレベータの外観をみることになります(笑)。

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セントロの街並みは、伝統が保たれた非常に重厚な教会にまず圧倒されます(写真はIgreja e Convento de São Francisco サンフランシスコ教会、修道院)。

Igreja e Convento de São Francisco

igrajadentro

そしてブラジルと言えばカポエィラ。今でこそブラジル固有のスポーツ或いは舞踊として認知されていますが、そのルーツはアフリカ奴隷達が編み出した格闘技。奴隷達がその支配者に対し反乱を起こしたり、脱走する日の為に体を鍛えるために武道を行っていたものを、支配者たちの目を欺くためにまるで踊っているかのように見せかけていたということです。

カポエイラ

セントロを更に奥まで進むと、何やら太鼓をもって重厚ながらとても陽気な打音を打ち鳴らす一団に遭遇。そのグループ名は「オロドゥン」。何とそのビートに目を付けたマイケル・ジャクソンが、ここサルバールの地を訪れ、オロドゥンとコラボしながら歌った「They don`t care about us」は圧巻です。そのプロモーションビデオの撮影舞台となった一軒のお店では、今もマイケル・ジャクソンが歌ったというベランダが公開され、DVDも販売しています。

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美しいビーチとセントロだけで既にとっても情緒豊かなサルバドールですが、毎年2-3月に行われるカーニバルの時期には、熱狂的な歌と踊りのメッカへとその魅力を更に加速させます。リオデジャネイロ、レシフェ(へシーフィ)と並んでブラジル三大カーニバルに数えられるサルバドールのカーニバル。ヨーロッパに近い地の利も生かし、国内外から圧倒的な数の観光客が、その熱い熱い祭典のために集結します。

その特徴の一つが、「トリオ・エレトリコ」と呼ばれる巨大なスピーカー付のトレーラー。近くを歩いていると、音波の振動に押されて、自分の胸やお腹が振動波に揺さぶられる程の大音量に乗って、トレーラーの上に乗った有名歌手たちが、周りにファンを従えながら街中を数時間歌いながら練り歩く、移動式ライブを展開するのです。

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ブラジル音楽と言えば、ボサノバやサンバが有名ですが、ここサルバドールでは「アシェー」と呼ばれる高揚感と一体感たっぷりのリズムが街を席捲します。昼間から始まる移動式ライブはもちろん夜になってもその勢いは止まらず、トリオ・エレトリコは鮮やかなネオンに彩られます。

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また街道の脇では「カマロッチ」と呼ばれる観賞用の専用ラウンジが設けられ、数々行き過ぎるトリオ・エレトリコと周囲のおびただしい数のファンたちを見守りながら、思い思いにお酒や食事を楽しんでいます。

カマロテ

さてここでちょっと変わったサルバドールのコスプレをご紹介。カーニバル中、人々が色鮮やかな衣装や仮装に身をまとっているのはご存知の通りですが、サルバドールでは「フイーリョス・ジ・ガンジー(ガンジーの息子)」と呼ばれる、白いターバンと装束を身にまとい青いビーズのネックレスを付けた男性の一団がいます。

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愛と情熱の国ブラジルの面目躍如といったところでしょうか、何とこの青いネックレスを男性から首にかけられた女性は、その場で男性とキスをしなければならない(ということになっている)のです。そうはいっても個人差はあるようですが、このフイーリョス・ジ・ガンジーの衣装と秘密の青いネックレス、少しお値段はしますがカーニバル期間中に市販されていますので、腕に自信のある男性方、ぜひ腕試しをしてみてはいかがでしょうか(笑)。

(写真/加藤塁)

著者紹介

加藤塁 Rui Kato

加藤塁 Rui Kato
仕事の都合で2011年~2013年までの二年間、ペルナンブッコ州およびサンパウロ州で過ごす。他の南米諸国に目もくれず、ひたすらブラジル各州の国内旅行に明け暮れ、2年間で26州+1連邦直轄区全てを旅する。

気候・人種・歴史・産業・方言・食文化等が少しずつ違いつつも同じ根を持つブラジルの魅力の虜として、次回駐在時にもより奥地への旅を目論む。
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