1月25日(土)、ブラジル各地で抗議デモ。サンパウロでは暴徒による混乱も
2014年 01月 27日1月25日(土)、サンパウロやリオデジャネイロなど各地で抗議デモが行われた。「ヴェージャ」、「G1」など各メディアは、ワールドカップに対する抗議デモと報じている。
サンパウロでは、暴徒による放火や破壊行為も起きたことを同日付け「ヴェージャ」(電子版)などが伝えている。少なくとも1台の市の保安官の車両が破壊され、市の中心部では他にも車両への放火があったという。破壊行為は覆面をした者たちによって行われたという。軍警察によると128名が逮捕されたと同紙は伝えている。
今回の抗議デモも、SNSを通じて事前に告知や呼びかけが行われていた。パウリスタ大通りで15時に人が集まり、軍警察によると、約500名のデモ参加者がブリガデイロ・ルイス・アントニオ大通りに向かい、17時ころ、市の中心(旧市街)に向かったという。
デモ隊は市立劇場に到着するまでは平和的だったという。サンフランシスコ広場のサンパウロ大学前で無政府主義者とみられる黒覆面の集団が行動をはじめ、覆面をしている彼らが劇場前のレストランなどに向かうことを防ぐため、警察は催涙ガスを使用したという。
混乱する市立劇場のバルコニーでは「ブルジョアたちよ、お前たちの責任だ」という叫び声が聞こえたほか、「警官は1日に1人を殺す」「ワールドカップはナシだ」といった声も上がったという。
デモ隊がお茶の水橋の角にあるシャヴィエール・ヂ・トレード通りにさしかかったころ、軍警察はデモ隊が、サンパウロ市460周年記念イベントが行われていたヘプブリカ広場に入らないようロープを張ったという。デモ隊の一部の暴徒は瓶や缶などを投げ負傷した人も出た。暴動はパウリーニョ・ダ・ヴィオラと、バンド、オス・オパラスのショウの合間に起きたという。
暴徒は分散して、20時ころに銀行やビルなどの扉、バスなどを破壊しはじめ、ブラジル銀行、ブラデスコ銀行、カイシャなどに放火した。バスには「料金無料」と落書きもされたという。
20時10分こと軍警察はツイッターを通じて旧市街区に1500人ほどがいることを報告、約10分後、集団はコンソラサォン通りでフォルクスワーゲンに放火、別のグループはGCM社の車をひっくり返そうとしたと、破壊行為を公表。20時45分にはアウグスタ通りに暴動鎮圧部隊が到着したことも伝えられた。
今回の破壊活動は、昨年の抗議デモに参加したいくつかのグループが関与しているとみられているとのこと。
(文/麻生雅人、写真/Getty Images)
写真は1月25日(土)、サンパウロ。デモの破壊行為に巻き込まれた家族