ブラジル各地で、ホレジーニョ・スタイルの献血が行われる
2014年 02月 2日サンパウロのショッピングセンターを中心にムーヴメントとなりつつあるホレジーニョ(ロレジーニョ)は、人種や社会階層に関する差別の問題を浮き彫りにしながら拡散、ホレジーニョという言葉も広く浸透してきた。
そんな中、フェイスブックなどSNSでの呼びかけを通じてボランティアとして人々が集まって何かを行うときにも、ホレジーニョという言葉が使われはじめている。
2月1日(土)、献血のためのホレジーニョがブラジル各地で行われた。リオデジャネイロ、ペルナンブッコ州のヘシーフィ(レシフェ)、パラナ州ロンドリーナやクリチーバで、献血するためのホレジーニョが行われたことを同日付け「G1」、「R7」、「バンダ・ベー」(すべて電子版)などが伝えている。
リオデジャネイロでは献血団体エモリオ(Instituto Estadual de Hematologia Arthur de Siqueira Cavalcanti)で献血ホレジーニョが行われ、4000人以上がFBページに登録していたという。
このページでは、このホレジーニョは、人種差別やさまざまな差別をしない、というマニフェストも掲げていた。病気というものは黒人も白人も金持ち藻貧乏人の、だれでもかかり、毎日人々が亡くなっている。誰もが助けられるべきで、誰でも助け合おう、と呼びかけていた。
ヘシーフィでは1日、22歳になる学生のタイース・エマヌエリさんが、Facebookを通じて、市の北部にある血液学・血液医療財団ペルナンブッコ支部への献血ホレジーニョを呼びかけた。その結果センターには午前中までに、166名の献血者の列ができたという。
ロンドリーナの大学病院では約100人が献血に集まったという。
SNSで献血の呼びかけにホレジーニョという言葉が使われたことで始めて話題になったのは、1月25日(土)にブラジリアで行われた献血だったようだ。
「メッセージを掲げて行こう! ブラジリアのエモセントロ(献血センター)でホレジーニョだ!」という呼びかけで、同日、あるグループが献血が呼びかけたところ、同日朝だけで20人が献血を行ったと同日付け「テーハ」が伝えている。集まったのはのべ500人ほどで、検査の結果、約70人が献血を行うことができたという。
「私たちは、ホレジーニョ自体についてとやかく言うつもりはありません。ただ、今起きているこのムーヴメントを社会にとっていい方向にもっていきたいだけです」と語るのは、献血ホレジーニョを主催したパウラ・マトスさんん。
この時期、(ブラジルでは)多くの人がバカンスなどで旅行をして、普段献血している人が不在のため血液が足りなくなることが、献血ホレジーニョを実行した理由だという。
献血ホレジーニョに参加した多くは献血の経験者だったが、中には初めて献血を行った人もいたという。パウラさんは、初めて献血する人のためにフェイスブックのページで、誰もが安心して献血できるようなオリエンテーションも掲載していた。
「献血は初めてでしたが、怖くはありませんでした。フェイスブックで友人にも呼びかけました」(ユーレル・イデウフォンソさん(18・学生))
献血センターは、このムーヴメントが献血者を増やしたと断言はできないと語っているというが、献血のホレジーニョは全国に広がりつつある。
(文/麻生雅人、写真/Wilson Dias/Agência Brasil)
写真は1月25日(土)にブラジリアのオモセントロでのホレジーニョで集まった人々による献血