ワールドカップ抗議デモ、参加者の声
2014年 03月 29日3月27日(木)、リオデジャネイロ、サンパウロ、フォルタレーザ、ベロオリゾンチ、ブラジリア、ポルトアレグリの各都市で、今年4回目となるワールドカップの出費に異議を唱えるデモが行われた。
リオとサンパウロのデモのシュプレヒコールや、参加者、警察官のコメントを、同日付け「エスタダォン」や「G1」(電子版)が伝えている。
軍警察の司令官であるマルセロ・ピグナタリ中佐によると、この日のサンパウロのデモ予告に対し、約1000名の警察官が動員されたという。
「デモの集団には軍警察がぴったり同行します。ただし私たちの目的は、抗議運動を自由に行う権利を守るためのものです。状況に応じて軍警察は対応します」(マルセロ中佐)
2007年、約50名が参加した、一番最初に行われたワールドカップ抗議デモのとき以来参加し続けている観光関連の学生ウィリアン・オリヴェイラさん(30)もこの日の参加者の一人だった。ウィリアンさんは2013年に行われたワールドカップ抗議デモにすべて参加したという。
「私たちは健康、教育、交通のために闘わなければなりません。人々はおとなしく、すっかり順応されてしまっていますからね。できればワールドカップまでは3日置き、大会期間中は、毎日デモを行いたい」(ウィリアンさん)
また、ウィリアンさんはブラックブロックの行動も容認しているという。
「国が壊れてしまうよりも銀行を壊す方がマシだからね」(ウィリアンさん)
3月13日に行われた前回のサンパウロのデモにも参加したという83歳の老人は「もちろんワールドカップには反対です。この国は空腹のあまり死んじまうっていうのに、大会のチケットが100ヘアイスってどういうことだ?」
また、ジュリオ・ランセロッチ神父は「国民の団結が足りない。若者たちだけが腕を組んで騒ぐだけでは見向きもされない」と、国民の関心が少ないことを憂いた。
(文/麻生雅人、写真/Getty Images)
写真は2014年3月27日(木)、リオデジャネイロのワールドカップに対する抗議デモ。リオのデモではおなじみバットマンの姿も