日本対ギリシャ戦の舞台ナタル(ナタウ、ナタール)のスタジアムICTシステムはNECが構築

2014年 05月 14日

natal_aerea

NECは、ブラジルでサッカースタジアムを中心としたスマートシティ開発やスタジアムのICT化に関するプロジェクトを相次ぎ受注し、構築を進めている。

同社は5月13日(火)、ナタル(ナタウ、ナタール)市のドゥナススタジアムのICTシステムを、中南米地域の大手ゼネコンOAS社との協業のもと構築したことを発表した。

NECの発表したリリースによると、スタジアムICTシステムは、館内の通信ネットワーク、監視カメラによるセキュリティシステム、大型スクリーンを含む映像表示システム、音響・照明・空調などの各種制御システム、防災システムなどを総合的に構築するもとのこと。

またNECはブラジルにおいて、ドゥナススタジアムの他に、ペルナンブッコスタジアム(レシフェ市)、グレミオスタジアム(ポルトアレグレ市)、フォンテノバスタジアム(サルヴァドール市)、バイシャーダスタジアム(クリチバ市)の計5箇所のICTシステム構築を担当している。

スタジアムのICTインフラは、異なるメーカが提供する複数のICTシステムで構成されるという。そのため、ゼネコンやスタジアム所有者にとっては、必要なシステムを統合して提供するノウハウを持つICTインテグレータとの連携が必要となるという。

同社は、ブラジルのみならず中南米地域において40年以上にわたり通信事業者を含む大手企業をサポートしてきたこともあり、豊富なシステム構築・プロジェクトマネジメントの経験を有している。この経験が、ブラジルでの5箇所のプロジェクト参画に繋がったのこと。

NECは今後、スタジアムのICTインフラの高度化に加え、スタジアムの収益増や顧客サービス向上に貢献する先進技術を活用した付加価値サービス領域についても、積極的な提案活動を行っていく。

加えて同社は、今回ブラジルで得た経験・ノウハウをもとに、世界約40ヶ国に導入実績を有するセーフティの他、ビッグデータ、センサ・認証技術、スマートエネルギーなどのソリューションなどを活用、新興国を中心に計画が進んでいるスタジアムICTプロジェクトやスマートシティ構想に対して、地域ニーズに即した提案活動を展開していく。

NECがこれまでブラジルで受注したプロジェクトの概要は下記。

ペルナンブッコスタジアム(レシフェ/ヘシーフィ):建築・石油化学・エネルギー・不動産・環境エンジニアリング等を手がけるブラジル大手企業グループ、オーデブレヒチと協力し、レシフェ市近郊で計画されているスマートシティ開発プロジェクトに参画する覚書を締結。その中核となるスタジアムのICTを構築。今後、「クラウドを活用した電子政府」「スマートエネルギーシステム」「様々な大規模イベントに耐えるICTインフラの構築」などをテーマに、観光、物流の中核拠点として継続的に発展できるICTを駆使した次世代都市インフラを提案していく。

グレミオスタジアム(ポルトアレグレ):中南米地域の大手ゼネコンOASグループと協業し、グレミオスタジアムのICTインフラ整備プロジェクトに参画。ネットワーク、監視カメラ246台によるセキュリティソリューション、ビル管理システム等と、これらを総合的に管理する統合ICTインフラの設計・構築を担当。

フォンテノバスタジアム(サルバドール):ICTインフラや大型スクリーン等の全体的なシステム構築を担当。これらのICTインフラを利用してスタジアム内の必要な情報伝達や表示、監視カメラを集中制御するセキュリティシステム、スタジアム管理システムや防災システムなどを実現。大型のスクリーンや数十台規模のデジタルサイネージを配備し、屋外広告や様々な情報表示に使用。

バイシャーダスタジアム(クリチバ):ICTインフラや大型スクリーンを含む映像・音響・照明・空調などの各種制御システムを総合的に構築。特に、140台の監視カメラネットワークによるセキュリティ強化を図っている。

(文/麻生雅人、写真/Jobson Galdino/Portal da Copa/ME)
アレーナ・ダス・ドゥナス、写真は3月17日の時点