被災地の子どもたちをワールドカップに招待する支援プロジェクトが進行中。W杯体験記は能田達規氏がマンガ化

2014年 05月 22日

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「サッカー仲間を通じて、東日本大震災の被災地の力になりたい」と、60回近くもの支援を続けてきたサッカーのサポーターグループがいる。その名も「ちょんまげ隊」。

「ちょんまげ隊」のメンバーのほとんどは、応援の際に、ちょんまげのかつらやサムライの鎧などのユニークなコスチュームを着て世界中を飛び回っているという日本代表のサポーターたち。継続して被災地の支援活動を続けてきた彼らが、ワールドカップブラジル大会を前に現在進めているのが、被災地の子供たちをブラジルへ招待する “Smile for Nippon”プロジェクトだ。

ちょんまげ隊のツン隊長こと角田寛和さんを中心にプロジェクトはスタートした。「トモにブラジルへ実行委員会」を発足させて、被災地である宮城県の中でもなかなか支援が行き届かず、ボランティア団体も他の地域と比べて少ない牝鹿半島の子供たちをブラジルへ招待するために走り回っている。

「世界中が注目するブラジルワールドカップを生で観戦することで、その場、その瞬間にしか体験できない感動や一体感を味わってほしい」とプロジェクトのメンバーはいう。

角田さんたちが牝鹿半島の子供たちの存在を知ったのは、支援活動を通じてのこと。複数の被災地に通うなかでも、牝鹿半島は公共の交通機関がなく、集落が点在していて人口も少ないせいか、他の地域に比べて支援を行う団体も少ないという。がれきを避けながら入学式を迎えた子供たちは、今なお仮設住宅で暮らしており、サッカー部がないため、チャリティマッチでさえもサッカー協会からの招待がかからないそうだ。

そんな牝鹿半島の子供たちにもサッカーの力で大きな夢を与えたいと、ちょんまげ支援隊は支援活動を続けてきた。

選考方法は、牡鹿半島在住の子(13~18歳)の中から「私(僕)の夢」「ブラジルに行って自分が変われると思うこと」をテーマにした作文を募集。サッカー漫画を多数描く漫画家・能田達規さん、「サッカーキング」編集長・岩本義弘さん、宮城県出身女子サッカー選手・中田麻衣子さん (なでしこリーグ・岡山湯郷ベル所属) が選考を行い、招待者を決定する(次ページにつづく)。

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