世界に名だたるブラジル・ワイン「ミオーロ」

2014年 06月 20日

ミオーロ・キュベ・トラディション・ブリュット

ブラジルのプレミアムワインは、これまで日本人ではあまり馴染みがなかったかもしれない。ブラジル国内においても、国産の美味しいワインが知られるようになったのは近年のことだ。とはいえ、今やブラジルのワインは、国外の著名評論家にも高く評価されるほとになっている。

ブラジルにおけるワインの名産地は、比較的ヨーロッパに気候が似ている南部で、中でもリオグランヂドスウ州では国際ワインの80%以上が生産されている。加えて同じ南部のパラナ州や、北東部のサンフランシスコ川流域の“ヴァーリ・ド・サンフランシスコ”と呼ばれる地域でもワインが生産されている。

ブラジルのプレミアムワインは国際的にも存在感を増してきており、フランスで毎年開催される「世界スパークリングワインコンクール」では、ここ数年ブラジルは常連入賞国にもなっている。

そんなブラジル産プレミアム・ワインの代表的な企業のひとつがミオーロ・ワイン・グループだ。「世界スパークリングワインコンクール」でも入賞の常連組で、受賞歴は以下。

第11回(2013年)では「Miolo Cuvée Tradition Brut Rosé 2012 ミオーロ・キュベ・トラディション・ブリュット・ロゼ」が金賞。
第10回(2012年)では「Terranova Rosé de Noir Brut Rosé テーハノーヴァ・ロゼ・ジ・ブリュット・ロゼ」が金賞。
第9回(2011年)では「Miolo Millésime Brut D.O. 2009 ミオーロ・ミレジメ・ブリュット D.O.2009」が銀賞。
第7回(2009年)では「Bueno Cuvée Prestige Brut 2008 ブエノ・キュベ・プレステージ・ブリュット2008」が銀賞。
第4回(2006年)では「Miolo Brut Millésime 2004 ミオーロ・ブリュット・ミレジメ2004」が金賞と、「Miolo Brut Rosé 2006 ミオーロ・ブリュット・ロゼ2006」が銀賞。
第3回(2005年)では「Terranova Moscatel Espumante 2005 テーハノーヴァ・モスカテウ・エスプマンチ2005」が銀賞。
第1回(2003年)では「Vale dos Vinhedos Miolo Brut 2002 ヴァーリ・ド・ヴィニェードス・ミオーロ・ブリュット2002」が銀賞。

もともとミオーロ家の歴史は、ジュゼッペ・ミオーロがイタリアから移住した1897年に始まる。彼は、移住すると同時にベント・ゴンサウヴェスに向かい、ヴァーリ・ドス・ヴィニェードスの1区画を購入、ブドウ栽培をはじめた。

70年代は、ミオーロ家は良質なブドウ栽培の先駆者となり、ジュゼッペ・ミオーロの孫達に当たるダルシー、アントニオ、パウロが発展させた。1989年、ミオーロ家は自家製ワインの大量生産を開始。

有名なワインコンサルタントのミッシェル・ローラン氏と契約するなどして知名度も高めてきた。今では国産ワインの約40%を生産するミオーロは、2010年の時点で30ヶ国以上にワインを輸出する、ブラジル最大のワイナリーだ。

写真は「Miolo Cuvée Tradition Brut ミオーロ・キュベ・トラディション・ブリュット」。機械で圧力をかけずにブドウ自体の重さで自然と流れ出たフリーランジュースから造られる。そのため、果汁が果皮や種とふれる時間がきわめて短く、淡く透き通るような色合いになる。12ヶ月の瓶内熟成により微細なバブルを含んだスパークリングワインに仕上がっている

原産国:ブラジル
容量:750ml
ワイナリー:MIOLO(ミオーロ)
ぶどう品種:50%シャルドネ、50%ピノノワール

(文/加藤元庸、写真提供/池光エンタープライズ)