ヤマザキ ランチパック「シュラスコとムケッカ風」

2014年 06月 27日

シュラスコとムケッカ風

ブラジルの味をイメージした食品の中でも、主に北東部に伝わる郷土料理「ムケッカ・バイアーナ」もしくは「ムケッカ・ヂ・ペイシ」をテーマにした食品が並んだのは、ワールドカップイヤー、2014年の特筆すべき出来事だったと思う。ムケッカの味をいい感じで再現した商品があったかどうかは、別として。

山崎製パンから2014年6月に発売されたランチパック「シュラスコとムケッカ風」は、「風」と記しているところが良心的といえるだろう。なかなか入手できなかったが、遅ればせながらレポートを。

具の入ったパンが2枚入っているランチパックシリーズだが、ブラジルの代表的な料理シュハスコ(シュラスコ)と、ムケッカ(おそらくムケッカ・ヂ・ペイシ)を1個づつ入れてふたつの味が楽しめるようになっている。

しかし、シュハスコ(シュラスコ)の方は、ちょっと変わったミートソース味となっていてシュハスコをテーマにした甲斐があったのかどうか不明だ。シュラスコ風フィリングに、りんごピューレやワインなど様々なテイストを入れている時点で、シュハスコ(シュラスコ)からどんどん離れて行っているきがしてならない。シュハスコは、いわば肉に塩だけをふって炭火で焼くだけの料理だ。シュハスコ(シュラスコ)味は何の味、といわれれば肉の味、になるはずなんだけど...。

ムケッカ風の方はといえば、実はこれが、なかなか。すけとうだらを材料に使っていて、たら味が効いている。弱冠トマト味が濃い気もするが、なぜかトマト味が強調された他のムケッカ味商品よりは魚介味にウェイトを置いている。すごくムケッカか、といわれればそうでもないが、でも、ムケッカっちゃムケッカといえるくらいにはムケッカ。

この商品で、はじめてムケッカという言葉を耳にして、なんとなくこの料理に興味を持った方は、ぜひブラジルで本物のムケッカを食べてみていただけたら幸いだ。

(写真・文/麻生雅人)