ブラジルのティーンの日常を描いた漫画。現実的すぎる設定とは

2014年 06月 28日

シコ・ベント 11号

ブラジルでは知らないひとはまずいない国民的人気漫画家のマウリシオ・ヂ・ソウザ。やんちゃな子どもたちの日常を描いた「モニカの仲間たち」は50年以上の歴史を持つ大人気漫画だ。

現在マウリシオ・ヂ・ソウザは、「モニカの仲間たち」をはじめ子どもたちを主人公にした漫画と並行して、自身のキャラクターが10代になった設定の、ティーン版シリーズも発表している。

このティーン版には、代表的なキャラクター、モニカを主人公にした「モニカ・ジョーヴェン(モニカ・ヤング編)」だけでなく、モニカと並ぶ人気キャラクター、シコ・ベントを主人公にした「シコ・ベント・モッソ(シコ・ベント・ボーイ編)」もある。

シコ・ベントは、田舎の男の子。そのティーン版が「シコ・ベント・モッソ(シコ・ベント・ボーイ編)」。

「シコ・ベント・モッソ(シコ・ベント・ボーイ編)」の最新刊(第11号)の表紙が、ブラジルのメディア(「G1」6月26日づけなど)を賑わせている。表紙には、とある女の子が抱いている赤ん坊の横に“シコの息子”と書かれており、シコは焦った表情を見せているのだ。

どうやら、この物語には裏がある模様。

「G1」によると、農業大学の学生シコは、大学で外国籍の女の子アナと知り合うが、そのアナが、シコの子どもを妊娠したと言い始めたことから騒ぎに。

アナは、シコのライバルでもあるジェネジーニョとつき合っていた。ところがアナが妊娠を告げると、ジェネジーニョに俺の子じゃないとつっぱね、子どもをシコに押し付けようとする。お人好しのシコはアナの子が自分の子だと言ってしまう。しかし、そのことでシコは彼女のホジーニャとの仲が危うくなり…。

ティーンの日常を描いた物語としてなんとも現実的な話題だが、ブラジルの人気漫画ゆえに、ついシコことを心配してしまったブラジル人は少なくない模様だ。

(文/麻生雅人、写真/Divulgação)