2014年 07月 1日 09:23
ブラジルではデモは、さまざまな社会的階層、立場、職種、団体の人たちがさまざまな目的で行っており、目的も異なるものがいくつもある。
そして抗議集会や行進はワールドカップに関係なく、日常的に各地で行われている。だから起きているストやデモを十把一絡げで同列に語ることはできない。
2103年6月、ワールドカップ開催準備期間に、これまでデモに参加していなかったような立場の人たちをも巻き込んだ全国規模の大規模デモが起こったことから、日本でも以前に比べてブラジルのデモに関して報じられることが多くなった。
ところが2013年から2014年にかけては、ワールドカップ開催がデモやストを行う側にとってひとつの切り札になりえることから、多くの抗議運動が自身の主張をワールドカップへの抗議と関連づけたり、異なる目的の抗議デモ同士がワールドカップへの抗議という共通のテーマがあることから共闘したり、状況は複雑に絡み合っているようだ。
2014年に関しては統一選挙を10月に控えていることもあり、選挙に影響されたデモも数多く行われていると考えられる。中にはデモを開催すること自体が目的となったデモもあるようだ。
そんな中、ブラジルでワールドカップが開催されているが、開催中にも、規模は大きくはないが、各地でさまざまな形態の抗議デモが起きていた。
6月28日(土)には、マラカナンスタジアムからそう遠くない、リオ市北部でワールドカップに対する抗議デモが行われた。この日、マラカナンではコロンビア対ウルグアイ戦が行われていた。
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(文/麻生雅人、写真/Fernando Frazão/Agência Brasil)
6月28日、リオ市北部、サイネス・ペニャ広場からはじまりチジュッカ地区の通りで行われた抗議デモ
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