ネイマールがグランジャ・コマリーを訪問。会見では「車椅子の可能性もあった」と語る
2014年 07月 11日7月4日に行われたブラジル対コロンビア戦で、コロンビアのスニガ選手の膝が背中を直撃するというアクシデントに見舞われたネイマール。
そのまま戦線を離脱して自宅で療養を続けていたが、7月10日(木)、テレゾーポリスにある代表の合宿所グランジャ・コマリーを訪問、仲間と再開した。その後、プレスルームにて、療養後初となる、本人自らによる公式の場での会見にも臨んだ。現地メディア(「グローボ・エスポルチ」、「トリブーナ」など、同日づけ、電子版)が伝えている。
会見はCBFの発表から45分遅れてはじまったという。ネイマールはキャップをかぶり、セレソンの仲間たちのサインが入った代表ユニフォームを着て会見に臨んだ。第三腰椎の骨折に苦しんだ話題では、涙も見せたという。
「彼(スニガ)が、悪意を持ってやったとは僕には言えません。僕の頭の中は彼の頭の中ではないから。観ている人からしたら普通ではなかったと思います。動きを封じたければ、捕まえることもできるし、押すこともできます。でも、背中から攻撃をされたら、選手は防御の仕様がありません。背後からの攻撃から選手を守れるのは唯一、ルールだけです」
スニガ選手との一件の話を終えると、深く息を吸ったネイマールは涙を見せたという。
「膝があと2センチ内側に入っていたら、僕は今、車椅子の中だったかもしれません。40~45日間は療養が必要です。僕のキャリアの中でとても大切な時に起こったアクシデントですが、でも人生はこれからも続いていきます」
しかし、スニガ選手のことを怒ってはいないという。
「許しますか? と聞かれれば、イエスです。彼はあの後電話をしてきました。痛めつけようと思ってやったわけではない、すまなかったと言っていました。その電話では、面白い話もしました。だから僕も彼に今後、成功して欲しい。全てにいいことがありますように、と思っています」
今のネイマールの頭の中は将来をポジティブに見据えることだけのようだ。
「この1週間は、僕の人生の中で最悪の1週間でした。前もって何かわるいことが起こると考えていたとしても、これ以上のことが起こるとは思いもしなかったでしょう。これまでもきちっとトレーニングを受けてきましたが、今は、もっとトレーニングを受けて、これまで以上に自分の人生をサッカーに捧げたいと思っています。考えられることをすべてやっていかなければなりません。タイトルを得るためには、タイトル以上のものを身につけなければなりません。人間としてアスリートとして、皆と共に生きていく上で」
ネイマールは代表選手の仲間と再開した。
「こんな状態の中ではあるけれど、皆と会えるのはうれしいです。皆、一緒に始めたので、一緒にファイナルを迎えたいですから。何が起こったかは別として。1-7で負けたことは、セレソン・ブラジレイラの一員として自分は恥じていません」
「彼らは負けてズタズタになりました。でも彼らは7点も取られながらも、男として走り続けました。自分はそのことを誇りに思います」
「悲しみを引きずるのはマイナスです。悲しむことは、悲しみをより深くします。起きたことは起きたこと、負けもサッカーの一部です。フィールドの中では何が起きても不思議ではありません今回は本当に大変なことがおきましたが、それでも、私たちは戦い続けます」
「僕は今まで通り、前向きでいたい。歴史的な負け方をしたからといって、頭を下げてしょんぼりしていては前に進めません。もちろん、負けることは大嫌いです。負けたくありません。しばらくは心が痛み続けるでしょう。でも、もっといい日がきっと来ます。ブラジルのみなさん、仲間、子どもたち、みんなに笑顔が戻るように、私たちはこれからもできる限りの、ありとあらゆることをします」
(文/麻生雅人、写真/Rafael Ribeiro/CBF)
7月10日、CBFの会見を行い、グランジャ・コマリーを訪ねたネイマール