ほぼ女性だけの村、男性を求む。ただし、村の規則を守れる者のみ!
2014年 08月 28日世の多くの男性は、エキゾチックな美女に囲まれた離れ小島での生活、なんていうファンタジーを、一度くらいは思い描いたことがあるだろう。
ブラジルの、とある山間に、ほとんど女性ばかりが暮らしている村があり、その村の女性たちが、男性との出会いを待ち望んでいるという。
この村はこれまでに何度かテレビグローボでも紹介されてきたが、7月下旬にもバラエティ番組「ドミンガォン・ド・ファウスタォン」のレポーター、カロウ・ナカムラが訪問、村を紹介した。
ただし、女性だけの村といってもこの村は、“離れ小島のファンタジー”とは状況はずいぶん異なるようだ。ノイヴァ・ド・コルデイロ(子羊の花嫁)という、聖書の一節に由来する村の名前からして、エキゾチックな雰囲気とはちょっと異なる。
村があるのはミナスジェライス州ベロオリゾンチ市郊外にある風光明媚な丘陵地帯。村の住人はほぼ女性で、村を管理しているのはもちろん女性。YAHOOアメリカ合衆国によると600人以上という住人のほとんどが、20~25歳の独身女性だという。カロウ・ナカムラは住民の80%が女性だと紹介した。
結婚している女性や子供がいる女性もいないわけではない。しかし、村で暮らす男性は18歳になると出ていかなければならない規則なのだという。村の女性と結婚した配偶者も、村に留まることを許されるのは週末だけだ。
この村を女性が支配している理由は、19世紀まで遡る。1891年にマリア・セニョリーニャ・ヂ・リマという一人の女性がこの地で暮らし始めたのがすべてのはじまりだった。
愛する人とは異なる相手と強制的に結婚させられた彼女は家を出て、同時にカトリック教会から破門され売春婦同然に扱われた彼女は、村からは隔離された環境で生活をしはじめた。
コミュニティが形成されていったが差別や避難は続いたため、コミュニティでは村の住人を女性だけとすることにした。同じような環境におかれていた女性や女性世帯が集まり、時を経て、村は彼女たちにとってユートピアのような生活共同体となった。
現在、村では農作物も着るモノも食べるものも子育ても、個人の所有物は一切なく、皆で分かち合って生活しているという。
番組のレポートでカロウ・ナカムラは、彼女たちが作るトウモロコシやピーマンなどの野菜は都会の市場で売られている野菜と全然違って新鮮で香りも良いと紹介した。
そんな彼女たちが、独身男性との出会いを求めてアピールしていると、アメリカ合衆国YAHOO(8月27日づけ)も伝えている。ただし、あくまで村のルールに従うという鉄則のもとではあるが。この村の女性と結婚するためには、村の規律を順守しなければならない。
住人のネウマ・フェルナンデスさん(23歳)は「私たち女の子は、みな普通に独身男性と出会って恋に落ちて、結婚したり、関係を持って生きていきたいのです。みんなの夢はとてもシンプルなものです。ただし、私たちはみんなこの町を愛していて、結婚するためにこの町を離れることは考えたくありません」
インターネットを通じて世界中のどんな場所の人同士でも連絡が取れる昨今、ノイヴァ・ド・コルデイロ(子羊の花嫁)の女性たちの呼びかけに応じることだって可能だ。
(文/加藤元庸、写真/TV Globo/Domingão)
ノイヴァ・ド・コルデイロ(子羊の花嫁)を訪問したカロウ・ナカムラ(中央)。「ドミンガォン・ド・ファウスタォン」は日本ではグローボインターナショナル(スカパー! ch514)で放送中。視聴問い合わせはhttp://www.skyperfectv.co.jp/channel/premium/detail.html?cid=514まで