ブラジルでマリファナ合法化をめぐる公開討論会。医療目的使用の効能も議題に

2014年 09月 8日

マリファナ会議

この観点からロペス助教授は、人々の苦しみを救う植物の販売や消費を政府が禁止するべきではないと述べた。この植物によってで助かる人々を犯罪者にするのは不当だという。

「現在、薬局で堂々と売られている劇薬類に比べれば大麻の影響は大きくありません。反対するのはモンスターとしかいいようがありません」(ロペス助教授)

この意見に対しバイーア州の元下院議員ルイス・バスマ氏は、ロペス助教授の物言いは活動家であり、研究者のものではないと批判的な発言した。しかし、にもかかわらずルイス氏は、カンナビジオールの医療目的の使用には同意した。

「一部のモンスターだけがカンナビジオールに反対しているのです。我々は、依存症に繋がるテトラヒドロカンナビノールのみに反対しています。ロペス氏は、依存症になるのは利用者の9%だけだとしています。活動家がいうように、若い人は影響を大きく受けるので、使うべきではなありません」(ルイス・バスマ氏)

連邦警察のナザレーノ・フェイトーザ氏は、利用するにあたって注意は必要だがセラピーのために大麻を利用することは問題ないと語った。アメリカ合衆国では、何の病気でもない人が腰が痛いなどの理由で大麻を購入していると指摘した。

上院議員のフレウリー氏(ゴイアス州、民衆党:DEM)は、大麻の合法化は国を亡ぼすと述べた。

「ひとつの薬物の合法化を、医療目的であることを理由に進めるのはいかがなものか。他の方法を模索するべきです」(フレウリー氏)

(次ページへつづく)

(文/麻生雅人、写真/Edilson Rodrigues/Agência Senado)
8月25日、ブラジリア。上院の委員会議室で行われたマリファナ合法化をめぐる討論会で見解を述べるバイーア州の元下院議員ルイス・バスマ氏