サンパウロのファベーラ火災、放火の疑い浮上。化学物質を使用か
2014年 09月 10日(9月)7日夜に聖市南部のファベーラで発生した火災の原因は依然不明で、警察が調査中だが、消防隊は放火が原因である疑いを強めている。9日付「フォーリャ」が報じた。
消防隊はその根拠として、火の広がりが異常に速く(通報から4分後に消防隊が到着した頃には通常の火災の初期段階のレベルを通り越し、既に大規模な火事になっていた)、化学物質が使われた可能性があること、住民による投石や発砲などで消火活動が妨害されたこと、火がどこからどのようにして起こったかを住民が説明できないことなどを挙げている。
この火災では住民約600家族が家を失い、8日に被害者登録を済ませた家族401世帯(1400人)には、市がマットレスや食糧を配布。被害家族は宿泊施設に移送され、3カ月毎に1200レアルの家賃補助を受け取れるが、数人は施設入居を拒み、バラック再建の意向を示している。
住民は「消防隊が水のない消防車で到着したため消火活動を果たせなかった」としているが、消防隊は否定しており、近隣の通りの消火栓を使おうとしたが、欠陥があり、使用できなかったと説明している。
消火栓に関する責任の所在を巡っては市と聖州水道公社(SABESP)との間で対立が起きており、両者は共に、消火栓の設置とその保持の責任は相手側にあるとしている。
エスタード紙は先月、州検察局が4月に開始した調査によれば、聖市内948の消火栓は10%の95しか機能していないことが判明したと報じた。検察はその後、水道公社に対し、15日以内に欠陥のある消火栓の保持活動計画の提示を求めている。
また9日付エスタード紙によれば、州検察は、2012年にも同地で火災があったにもかかわらず、その後然るべき住居を住民に与えなかったとして、今回の火災の原因を市の責任として訴えを起こす意向だという。
(記事提供/ニッケイ新聞、写真/Fabio Arantes/Secom/PMSP)
9月8日、未明に火災に見舞われたモーホ・ド・ピオーリョ