国連気候サミット、ブラジルはアマゾン森林伐採削減を報告

2014年 09月 24日

気候サミット

米国ニューヨークの国連本部で(9月)23日、気候サミットが開催され、ジウマ大統領も演説を行ったと23日付各紙サイトが報じた。

24日からの国連総会に先立って開催された気候サミットには、125カ国の首脳や代表、金融機関や企業、市民社会のリーダー達が参加。

2015年12月のパリでの国連気候変動会議での2020年の温室効果ガス排出削減目標などを含む合意成立に向け、地球温暖化問題に対して各国が実際に行っている取り組みを公開するなどの準備が進められた。

1997年に採択された京都議定書では、地球上の大気温の上昇を2度以下に抑えるために先進国の温室効果ガス削減目標が定められたが、2012年に有効期限が切れた後は、それに続く削減目標が決まらないまま時が過ぎており、15年の会議での削減目標確定を目指している。

そういう意味で、今回の気候サミットは、削減目標確定のための決定的な決議と言うよりも、パリ会議に向けた準備的な色合いが強い。

伯国(ブラジル)は削減目標設定の義務はなかったが、2009年のコペンハーゲン会議で、アマゾンの森林伐採を80%削減するなどして2020年までに温室効果ガスを36.1%~38.9%削減という削減目標を発表して国際社会の注目を集めた。2005~12年にかけては36.7%の削減に成功したとされた。

ジウマ大統領は23日の気候サミットで、「目標は公表しないが、結果を報告する」として、この10年間の温室効果ガスの排出削減量は79%で、2010~14年には年平均6億5千万トンの二酸化炭素排出を防いだと発表。

伯国の温室効果ガス排出量削減は法定アマゾンやセラードも含む森林地帯の伐採削減が大きなウエートを占めるが、穀物の生産性を向上させ、少ない面積で多くの収穫を得るという農業のあり方もガス排出量の削減に繋がっている。2005~12年の温室効果ガスの排出量は36.7%減ったが、車の増加などは止め難く、13年はまた温室効果ガスの排出量が増えている。

2013年は世界全体の温室効果ガスの排出量も増えており、会議に先立つ21日には、全世界の13年の二酸化炭素排出量は2012年比2.3%増の361億トンと発表された。21日にはニューヨークをはじめ、リオやボゴタなどの南米諸国も含む世界の主要都市で60万人以上が参加し、地球温暖化に対する抗議行動を行った。

(記事提供/ニッケイ新聞、写真/Roberto Stuckert Filho/PR)