リオ市北部などで銃撃戦。犯罪組織は選挙時期に合わせて攻撃か?

2014年 10月 4日

リオ、マレー地区銃撃戦あと

リオ市とニテロイ市では9月30日以降、治安維持警察隊(UPP)やそれに準じた組織を設置済み、または設置準備中のファヴェーラで、犯罪組織と軍との銃撃戦などが続いていると(10月)2、3日付伯字各紙が報じている。

10月2日までに八つのファヴェーラで5人の死者と6人の負傷者が出た。

死者はリオ市北部の複合スラム、ペーニャ、アレマン、マレー地区で各一人、ニテロイ市のカバロンで二人出た。長引く銃撃戦のため、2日のリオ市では24地区の学校を閉鎖。1万3396人の生徒が影響を受けた。

リオ市での“暴力の波”(が起こっているの)は、UPP設置準備のため軍が駐留しているマレー地区からだ。

同地区では州内の主要犯罪集団のコマンド・ヴェルメーリョ(CV)とアミーゴス・ドス・アミーゴス(ADA)、正統第三コマンド(TCP)が失地回復を目指しており、9月30日のADAとTCPの銃撃戦では18歳位の青年が亡くなった。

同地区ではその翌日、少なくとも8人の麻薬密売者が小銃などを手にブラジル大通りの物流会社を襲撃。3人がカジュー地区のUPP警官によって逮捕された。

3人はペドレイラ地区在住者でマレー地区奪還作戦支援のためにカジュー地区に身を隠していたという。

リオ市銃撃戦後

マレーに隣接するアレモン地区やペーニャ地区はUPPが設置されているが、ペーニャ地区では9月30日に軍警との抗争で犯罪者1人が死亡。アレモン地区では2日夜も発砲事件があり、4人が負傷した。

リオ市中心部のマンゲイラやチジュッカ地区のフォルミーガ、南部のロッシーニャ(ホッシーニャ)とタバジャレスでも犯罪者組織同士の争いやバスの焼き討ちなどが起きている。

ニテロイ市カバロンでは9月30日、UPPに準ずるカンパニア・デスタカーダの警官の巡回活動で、2人の青年が死に2人の男性が逮捕されたことを受け、1日夜、15人の未成年者がバスに放火。リオ州保安局のベルトラーメ長官は、この事件は同地区の犯罪組織の元締めだったレイナルド・メデイロス・イナシオ氏が刑務所内から指示したものと見ている。

ベルトラーメ氏は一連の事件は統一選挙の時期に合わせて犯罪組織が準備したものとの見解を示し、4日からの予定だった特別警備体制を3日からに前倒しした。

投票日5日前からは殺人、盗難の現行犯しか逮捕できないため、市警なども各署の配備を増員して対応。軍警は州全体で通常1万5千人ほどのところに倍の人数で警戒に行う。マレー地区には陸軍と海軍2万7千人も駐留中だ。

ベルトラーメ氏は州内の警察は選挙後まで見越し、充分に計画された作戦をとっており、今までもよく機能してきたとの見方から、軍に増援を要請する考えはないとの考えを示した。

(記事提供/ニッケイ新聞、写真/Tania Regô/Agência Brasil)
写真は10月2日、リオデジャネイロ、マレー地区