ジウマ大統領、生活扶助政策に依存していない地域でも健闘していた
2014年 11月 5日10月26日に行われた伯国(ブラジル)大統領選の決選投票において僅差で勝利、再選された労働者党(PT)のジウマ大統領の勝因は、PTが進める社会政策であるボルサ(ボウサ)・ファミリア(生活扶助)の影響が少ない地域でも得票を伸ばしたことにあるという。
ジウマ大統領はボルサ・ファミリアに頼る人が多い地域では大差で社会民主党(PSDB)のアエシオ候補に勝利したが、そのことだけでは決選投票の勝利は説明できない。
なぜならば、1次投票から決選投票にかけて、ジウマ大統領はボルサ(ボウサ)・ファミリアに依存しない地域でも得票を伸ばしているからだ。
ジウマ大統領が決選投票で上積みした1120万票のうち730万票は、ボルサ(ボウサ)・ファミリアに依存する人口が25%以下の市からのものだった。むしろ、ジウマ大統領はボルサ(ボウサ)・ファミリアに依存しない地域で得票を伸ばしたから勝てたとも言える。
この主張はボルサ(ボウサ)・ファミリアと投票傾向の関係を多角的に分析したデータから裏付けられている。その中の一つは、人口の50%以上がボルサ(ボウサ)・ファミリアに頼っている1791市と、ボルサ(ボウサ)・ファミリアに頼っている人が50%以下の3773市を比較したものだ。
ジウマ大統領は前者では決選投票においてアエシオ候補に76%対24%と大差をつけて勝っており、一次投票の時に比べ、この地域で100万票の得票を伸ばした。
後者のボルサ(ボウサ)・ファミリアの影響が少ない地域では、ジルマ大統領が破れたものの、得票率の差は53%対47%と拮抗しており、この地域で健闘したことが、決選投票でのジルマ大統領の勝利に繋がったといえる(2日付フォーリャ紙、アゴーラ紙より)。
(記事提供/ニッケイ新聞、写真/Ichiro Guerra/Dilma 13)
写真は10月20日、サンパウロで行われたジウマ大統領応援集会。リリーニャ(中)、トゥリッパ・フイース(右)もジウマ氏を支持