ブラジルで新手のカード犯罪登場。旅行者も要注意!

2014年 12月 7日

ブラジルのカード犯罪

ブラジルではここ数年の間にクレジットカードやデビットカードが急速に普及した。今では町なかでコーヒー1杯、菓子パン1つ買うにもカード払いが当たり前になっている。

そしてカード利用者が増えると、カード決済を狙った犯罪も増える。

TVグローボがニュース番組「ジョルナウ・ナシオナウ」(12月6日づけ)で報じたところによると、新手のカード犯罪の手口が明るみに出たという。

年末の忙しい時期の混雑に紛れて店のカードリーダーをすり替えて、店の顧客からの支払いを自分の懐に入れるという方法である。これなら客の誰にも気づかれることなく他人への支払いを自分の口座に入れることができる。

店の防犯カメラに映った容疑者の2人組は日用品店に入っていき、入ってすぐ二人は二手に分かれる。2-3分後合流し、いくつかの商品を持ってレジに向かった。

レジに商品を置くとカード払い、と言ってレジ係にカードリーダーを出させる。二人組の一人がレジ係の注意を他のことに引き付けておき、その間にもう一人がカードリーダーをすり替えるのである。
すり替えて以降の支払いは、すべて犯人たちの口座に入る、という仕組みである。

犯行が発覚したのは、被害にあった日用品店がカード決済代金がまったく入ってこないことに気づいたためである。

クレジットカード会社連盟は、この犯罪ではカードリーダー自体は正規のものが使われているので、カード会社では不正利用と判断する材料がないという。カードで支払う段階で客もしくはレジ係がカード利用控えに記載された店名が違うことに気づかない限り、資金回収の時期まで発覚しない。

同様の犯罪は商店が忙しくなる年末が近づくにつれ増加しているという。主に個人事業主が運営する店で発生しており、サンパウロだけですでに20件立件されている。

ブラジルは欧米同様、レストランなどで支払いがテーブルで行われることが多いため、ワイアレスのカードリーダーの需要が高い。この手口はその点に着目した原始的なもの。ブラジルでカードを使った際には明細の金額だけでなく、店名の確認もお忘れなく!

(文/原田 侑、写真/Reprodução/「Jornal Nacional」/TV Globo)
写真は防犯カメラがとらえた容疑者(左の2名)。TVGloboのニュース番組「ジョルナウ・ナシオナウ」は日本ではグローボインターナショナル(スカパー 514ch)で放送中