ブラジル、19歳までの中等教育の卒業者は54%

2014年 12月 11日

ブラジルの学校

ブラジル人の学生10人のうち7人は、16歳までの初等教育で教育を受けることを終えてしまうと、現地メディア(「G1」、「エザミ」など、12月8日づけ)がトップ記事で報じた。

これらのデータは、2013年度の全国家庭サンプリング調査(PNAD)が行った調査に基づき、「全ての人に教育を(TPE)」プログラムによって集計されたという。

データによると、15歳から17歳までの不登校の若者の数はブラジル国内は160万人にものぼり、この年齢層は、中等教育を卒業しない若者全体の15.7%に相当するという。

さらに、ブラジル人の若者の半分ほどである54.3%しか、19歳までの中等教育を卒業することができないという。

この割合は、2007年の46.6%から比べると年々増加傾向にあるものの、先進国に比べればまだまだ低い数値といえそうだ。

また、16歳までの初等教育を卒業する若者の割合も、2014年の69.4%に対し、2013年は71.7%と改善している。

「悪い結果の理由として、若者にとっての中等教育の魅力の欠如が挙げられますが、すぐにその対策に乗り出すのも間違っていると思います」とTPEのコーディネーター、アレジャンドラ・メハイス・ヴェラスコ氏は指摘する。

また同氏は、所得や肌の色の違いによってもこの割合が変化することを警戒しているという。

富裕層の83.3%が中等教育を卒業するのに対し、貧困層はわずか32.4%。さらに人種別に見ると、白人が65.2%、黒人が45%、混血の人は46.3%だという。

TPEによれば、中等教育を完了する若者が、2022年までに90%にまで到達させることが、ブラジル教育における目標だという。

(文/柳田あや、写真/Ciete Silvério/Governo do Estado de SP)
写真はサンパウロ市ジャルジン・マリオ・コーヴァの学校