ブラジルの中小・零細企業、経営者の3分の1は女性

2015年 02月 14日

サウガダルチ

TVグローボが2月10日、番組「ジョルナウ・オージ」で伝えたところによると、ブラジルの中小・零細企業のうち3分の1は女性の経営者によって運営されているという。現在約730万人の女性起業家が活躍している計算になる。

卵・乳製品不使用、無精白穀物使用の惣菜パンを考案したジョルダーナ・サウダーニャさんは5年前、ジャーナリストを辞めて母親と惣菜パン工房を立ち上げた。健康的な食生活を求める人々は増加し、その市場は限りなく大きいと判断しての投資だった。

惣菜パン工房ビジネスは卸売から始まり、当初9か所だった卸先は今や150か所に上っている。5か月前からカフェ形式で始めた直営小売店を除き、月商はだいたい15万レアル(約750万円)以上だという。

「私たちは市場に新しいタイプ商品『健康的な惣菜パン』を送り出してきましたが、潜在的な市場の大きさを日々実感しています」(ジョルダーナさん)

現在、中小・零細企業の経営者のうち31%は女性だが日に日に増加している。ブラジル中小零細企業支援機構(SEBRAE)の調査によると、2002年から2012年の10年間で自営業を始めた人は11%増加した。内訳は女性は18%、男性は8%だという。

中でも食品加工など、人の手作業が大きく関わる分野での企業では女性が19%、男性は3%の増加だった。

女性の社会進出を裏付けるデータだが、当の女性起業家にとって起業の最大の動機は自分の生活と仕事を結び付けることだ。具体的には自宅の近くで働きつつ、家庭の収入を増やしていくということだ。起業した女性たちは、女性を多く雇う点も特徴の一つだという。

SEBRAEの代表者、ルイス・バヘット氏はスモールビジネスにおける女性の躍進についてこう語る。

「起業する女性の特性で重要なの特性は細かいことに気が回る、整理整頓ができる、時間を守る点が挙げられるが、様々な分野に対して関心を持っていることが重要だ。知識・経験値・能力を高め、実現していく力を持つにはそれが決定的な差別化要因になる」(ルイス・バヘット氏)

(文/余田庸子、写真/Reprodução/Jornal Hoje/TV Globo)
写真はジョルダーナ・サウダーニャの店「サウガダルチ」、「ジョルナウ・オージ」より。TVグローボのニュース番組「ジョルナウ・オージ」はIPCTV(グローボ・インターナショナル)で放送中。視聴のお問い合わせは、080-3510-0676 日本語対応ダイヤルまで)