聖金曜日、ブラジル各地でキリスト受難劇が演じられる
2015年 04月 5日2015年は4月5日(日)がパスコア(復活祭、イースター)の日。パスコアの1週間前の日曜日は「枝の主日」、「受難の主日」などと呼ばれ、この日からパスコアの前日までの1週間は「セマーナ・サンタ(聖週間)」と呼ばれる。
そしてセマーナ・サンタの週の金曜日、つまりパスコアの3日前は「パイシャオン・ジ・クリスト(聖金曜日)」。ブラジルでは祝日となる。
この日はイエスキリストの受難の日、十字架にかけられた日ということで、イエスキリストを想う儀式や祭事が行われる。2015年のパイシャオン・ジ・クリスト(聖金曜日)は4月3日(金)にも、ブラジル各地で祭事などが行われた。
リオグランジドスウ州カイシャス・ド・スウ市では市の観光局のサポートを受けて、同市で2006年から開催されているというキリストの受難を再現する祭事が行われた。同市市役所が広報している。祭事は十字架に磔にされる場面を再現する劇で、約40名の若者たちによって演じられたという。
ブラジリアのプラナウチーナにあるカペリーニャの丘は、祈りを捧げに来る人が多い神聖な場所として、連邦直轄区で最も良く知られている場所だという。信者は約4.5kmの参道を、ひざまずいたり、あるいは立ったままで、祈りをささげながら丘を登るという。
ここへも「セマーナ・サンタ(聖週間)」の間に大勢の人が祈りを捧げにきていると「アジェンシア・ブラジル」が3月29日に報じた。人々は、丘にある聖母アパレシーダの像にも祈りを捧げた。
リオデジャネイロ州アラルアマ市でも3日(金)の夜、市内最大の路上劇場であるホテル広場でキリストの受難劇が演じられ、数千人の観客が訪れたと同市が広報した。
ペルナンブッコ州ブレージョ・ダ・マードリ・ジ・デウス市で行われる「ノヴァ・エルサレムのパイシャオン・ジ・クリスト」は、キリスト受難劇の中でも歴史が古く、有名な祭事。こちらは「セマーナ・サンタ(聖週間)」の間、連日上演されているとTVグローボのニュース番組「ボンジーア・ブラジル」が4月2日に伝えた。
ジャーナリストのプリニオ・パシェーコによってこの街でエルサレムを再現したようなレプリカのセットを作り、受難劇を演じる計画が立てられたのは1956年だという。実際に同市のファゼンダ・ノヴァ地区にノヴァ・エルサレム劇場が作られはじめて劇が演じられたのは1968年とのこと。以来、同劇場ではこの劇が演じられ続けている。
(文/麻生雅人、写真/Tiago Fernandes/Semtur(カイシャス・ド・スウ市)、Dênio Simões/Agência Brasília (ブラジリア市、カペリーニャの丘)、Marcelo Figueiredo/Ascom Araruama (03/04/2015)(アラルアマ市)、Felipe Souto Maior/Paixão de Cristo 2015 (30/03/2015)(ブレージョ・ダ・マードリ・ジ・デウス市))