ウチナーグチ(沖縄語)を「消滅させてはならない」。継承・保存をテーマに沖縄フォーラム、ブラジルで開催される
2015年 05月 19日来場者の米須清光さん(こめす・せいみつ、77、二世)は「僕は家族でウチナーグチだけで育ったから言葉の重要さは痛感するが、文化そのものや精神をいかに残すかも大事だと思う」と語った。
東京都出身の畑勝喜(かつよし)さんも「ウチナーグチの素晴らしさを初めて知った。このような取り組みは沖縄県人会ならでは」と感心した様子だった。
上間明エドゥアルドさん(31、三世、ブラジリア在住)は留学などで母県に6年間住む間に、宜野湾市の島人講座で教えていた。
「この言葉にはウチナー精神が宿っている。残念なことに母県の若者の関心は薄い。むしろ我々のような海外在住者の方が強い思いを持っている」と熱く語った。
上間明さんは元々、ブラジリア日本語普及協会直営のモデル校で日本語を習い、それの飽き足らずに沖縄県の名桜大学に留学した。そこでウチナーグチに目覚め、父が米国人で沖縄に生まれ育ったウチナーグチ復活運動家の比嘉光龍(バイロン)さんから習い、宜野湾市で1年間教えるまでになった。
父は非日系と結婚し、家庭内ではまったくウチナーグチを聞くことはなかった。
「沖縄の歴史に興味があって、言語学が大好き」というが、実はブラジリア大学では機械工学科で学んでいた変り種だ。2014年に帰伯。
「オジイの故郷今帰仁が一番好き。自分のルーツはここだと心底感じた」
母県の人の尻を叩くように復活運動をする三世の存在もまた、”島人の宝”に違いない。
(写真・記事提供/ニッケイ新聞)
写真は地域ごとに異なる表現を使い分ける上間明エドゥアルドさん