JICA横浜 海外移住資料館で「移民画家 半田知雄の世界」展開催

2015年 05月 25日

半田知雄

JICA横浜 海外移住資料館では、日ブラジル外交関係樹立120周年記念特別展示「移民画家 半田知雄の世界」二宮家ブラジル移住60周年記念コレクションを開催する。

半田知雄は1906(明治39)年、青森県八戸市で生まれ。1917(大正6)年、11歳のときに父母と共にブラジルへ移住してコーヒー農園で働いた。

1921(大正10)年、14歳でサンパウロ市に出て日本語新聞「ブラジル時報」の文選工(活版印刷で文章を作る活字を活字棚から拾う職人)として働きながら日本語とポルトガル語を学び、絵の修行を始めたという。

1935(昭和10)年サンパウロ美術学校を卒業、画家を志す日系の仲間とサンパウロ美術研究会(聖美会)を結成した。移民の生活を題材にした作品を多く残し、その作品は絵画作品として優れているだけでなく移民研究の史料としても高い評価を受けている。

また、ブラジル日本人移民史研究者として、「今なお旅路にあり~或る移民の随想」(1966年、太陽堂)、「移民の生活の歴史 ブラジル日系人の歩んだ道」(1970年、サンパウロ人文研究所)、「ブラジル日本移民・日系社会史年表(改訂版)」(1996年、サンパウロ人文科学研究所)などの著作も残した。中でも、ブラジル移民史を詳細に記した「移民の生活の歴史 ブラジル日系人の歩んだ道」は移民史研究においてとりわけ重要な資料として評価されている。

JICA横浜海外移住資料館では、サンパウロ大学教授の二宮正人氏より寄贈を受けた半田知雄の油絵作品19点、同時代の日系人画家、高橋吉左衛門、大竹富江らの作品あわせて26点を展示。ブラジルで日本人が貢献した分野として、農業と並び称されるほどの評価を受ける日系芸術家の足跡を紹介する。

関連イベントでは二宮正人氏による特別講演「私とブラジル」も開催される。

「日ブラジル外交関係樹立120周年記念特別展示『移民画家 半田知雄の世界』二宮家ブラジル移住60周年記念コレクション」

会場:JICA横浜海外移住資料館海外移住資料館 企画展示室
神奈川県横浜市中区新港2-3-1
Tel: 045-663-3257
http://www.jomm.jp/events/index.html#handa

開催期間:2015年6月6日(土)~7月5日(日)
入場料:無料
開館時間:10:00~18:00(最終入館17:30)月曜休館 月曜が休日の場合は翌火曜休館
主催:独立行政法人国際協力機構(JICA)

関連イベント:
二宮正人氏特別講演「私とブラジル」
会場:JICA横浜 4F ブリーフィングルーム「かもめ」
2015年6月21日(日)14:00-15:30

(文/麻生雅人、図版提供/JICA横浜 海外移住資料館)