外国にルーツがある子どもたちの学習支援活動、助成金が打ち切りに。資金をクラウドファウンディングで募集

2015年 05月 27日

ABCジャパン

横浜市鶴見区に本部を置くNPO法人ABCジャパンが、外国にルーツのある子どもたちのための学習支援活動への支援を、クラウドファウンディングで緊急募集している。

これまで教室の賃貸料にあてていた国からの助成金が、2015年、制度変更に伴い打ち切られてしまったという。

ABCジャパンが、外国にルーツのある子どもたちのための学習支援を初めたのは6年前のこと。生徒の出身国はブラジルを中心とした南米諸国、ネパール、中国、フィリピンなどさまざまだ。

「日本に来たばかりで日本語が話せない子ども、文化や習慣の違いから日本の小中学校になじめず不登校になってしまう子ども、母国で中学校を卒業し日本で高校進学をしたい子どもたちが学習する場は、ほとんどありません」(安富祖美智江・ABCジャパン副理事長)

ABCジャパン

「日本語がわからないまま日本の公立小中学校へ編入する子どもたちは、授業についていくのが非常に困難です」(同)

教室では、日本語を教えることからはじめて、それぞれの子どもの目標に合わせた学習を行う。高校受験の情報を提供したり、受験科目の指導を行ったりもする。活動の成果は着実に表われ、卒業生の中からは大学へ進学する子どもも出てきている。

「今年度も、高校受験を希望する生徒から申込みがすでにいくつか来ています。たくさんの可能性を持った子どもたちが自分の未来を切り開き、社会を築く一員として自信を持って巣立って行くために、私たちの教室の役割はとても大きいものと確信しています」(同)

支援プロジェクトは5月31日(日)午後11時の時点で、900,000円以上集まった場合のみ決済が完了されるが、5月27日(水)午後18時の段階で81人が支援を申し込み、866,000円が集まった。残り4日で、決済可能な目標まで34,000円と迫っている。

詳しくはプロジェクトページを参照。

<追記>=====
5月27日(水)、同プロジェクトは成立可能金額を達成した。残り3日、引き続き支援は募集している。
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<NPO法人ABCジャパン>

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(文/麻生雅人、写真提供/ABCジャパン)
写真上:それぞれの高校の制服を着た昨年度の卒業生、写真下:ほとんどの子が、来日して初めて日本語を勉強する