日ブラジル国交樹立120周年で文化事業続々。「るろうに剣心」作者の和月伸宏さんも来伯

2015年 05月 28日

るろうに剣心

日ブラジル国交樹立120周年を記念して、様々な日系団体が事業を企画している。

国際交流基金サンパウロ文化センターでは、和楽器トリオ「結」、ジャズピアニストのクリヤ・マコト、世界的バイオリニスト五嶋龍3組の音楽家のブラジル全国ツアーを予定するほか、大ヒット漫画「るろうに剣心」(ポルトガル語題「Samurai X」)の作者和月伸宏さんと、そのストーリー作りに協力した妻の黒碕薫さん(小説家)の来伯講演も企画中だ。

セスキ(商業連盟社会サービス)やニッケイ新聞なども文化団体を呼ぶべく企画を練っている。120周年を機に、今年後半は様々な大物アーティストを見られそうだ。

人気漫画「るろうに剣心」は1994年から5年間に渡り「週刊少年ジャンプ」で連載され、約6千万部を売り上げたヒット作品で、ブラジルでも若者に絶大な人気を誇る。

作者の和月さんは7月13日~20日までブラジルに滞在し、リオデジャネイロ(14日)、サンパウロ(17~18日)の2市で講演する。サンパウロ市会場はCCSP(17日)と「コミックフェスタ」(18日)。妻の黒碕薫さんの来伯は昨年に続き2度目。今回は和月氏に同行、講演会に参加する。

若手女性邦楽奏者3人による和楽器トリオ「結」(津軽三味線、箏、尺八)は6月、ジャズピアニストのクリヤ・マコトさん率いるジャズアンサンブル・グループは8月、米国出身の有名バイオリニスト五嶋龍さんは10月にそれぞれ来伯し、約1カ月かけて在外公館のある国内都市をツアーするという。基金本部が主催とあって、大型事業となるようだ。

7月の日本祭りでは古武術を中心に「武の美」を追求する芸能団体「武楽座」(ぶんがくざ)によるショーを開催する。「犬神家の一族」、「ビルマの竪琴」などで知られる市川崑監督の巡回映画展や、日本の陶磁器巡回展も年度内に実施予定。

セスキ・サンパウロも日本文化庁と共催して「劇団実験室 万有引力」を招き、11月にセスキ・ピニェイロスとサントス支部で公演を実施する予定。万有引力は95年に当地を初巡演し好評を博した劇団で、来伯は20年ぶり。

楠野祐司コーディネーターによれば、前回の公演好評だったことから「もう一度やりたい」との要望がセスキから上がっていた。同氏は「30人の大型事業はこういう特別な機会でもなければやれない」と話した。

1969年に佐渡で結成した人気和太鼓集団「鬼太鼓座(おんでこざ)」も9月に来伯予定だ。藤瀬圭子プロダクションやニッケイ新聞などがコーディネーターとなり、同太鼓集団はじめ津軽三味線や舞踊のプロ15人による合同公演をリオ、カンピーナス、聖、イグアスの4市で企画中だ。

(写真・記事提供/ニッケイ新聞)