FIFAブラッター会長の退任劇、ブラジルサッカー連盟にも波紋。ジーコ氏、FIFA会長選出馬ほのめかす!?

2015年 06月 5日

ジーコ

5月2日に起きた国際サッカー連盟(FIFA)ブラッター会長の突然の退任劇は、ブラジルサッカー連盟(CBF)汚職問題禍中のブラジルも揺さぶったと3日付伯字各紙が報じている。

ブラッター会長の突然の退任は、マルコ・ポーロ・デウ・ネロCBF会長も驚かせた。同会長は即刻、幹部団を召集し、退任の影響について検討した。

CBFは文書で、「ブラッターFIFA会長辞任の報を驚きを持って受け止めた。これは同氏の個人的な理由によるもので、CBFは事情を察する」と発表した。

「CBFは連邦検察庁が求める契約書類をすべて提出するなど、当局の要請に応じている。現会長はなんらやましいところなく、言い訳の必要さえ感じていない。よって辞任の意思は無い」(ヴァウテル・フェルジマンCBF事務局長)

だが、同事務局長の強気の発言とは裏腹に、デウ・ネロ会長は腹心を集め、保身工作に余念が無い。

2日、同会長は各州サッカー連盟会長と会合した。職員は全ての州連盟会長が呼ばれたと言うが、デウ・ネロ会長反対派と見られるリオグランジドスウ州の会長とサンタカタリーナ州の会長は姿を見せず、会合は知らされていなかったとした。

また、上院で議会調査委員会(CPI)発足に動き、デウ・ネロCBF会長の収賄疑惑追及に闘志を燃やす元セレソンのロマーリオ上院議員(社会党・PSB)も会長の辞任を要求し続けている。

「ここ数日で最良の知らせだ。今はただ、デウ・ネロCBF会長の辞任を望む」(ロマーリオ上院議員)

連邦政府も同会長の辞任がCBF建て直しのための最良の道と見ているが、CBFは民間団体のため、同連盟人事に積極的に介入する意思は無い。

レナン・カリェイロス上院議長(民主運動党・PMDB)はブラッター氏辞任を受け、「この件で議会調査委員会(CPI)設置の必要性がより高まった」とした。上院CPIはメンバー確定を待つのみとなっている。

元セレソンのジーコ氏も公式フェイスブックページで現状を憂いた。

「いっそ私がFIFA会長選に出ようかとさえ思う。ブラジル・スポーツ省での経験もあるし、日本を含む世界各国でサッカー振興に貢献してきた。政治の駆け引きよりもスポーツのあるべき姿を優先させる。可能性はゼロではないはずだ」(ジーコ氏)

(記事提供/ニッケイ新聞、写真/Tomaz Silva/Agência Brasil)
写真は5月18日、リオデジャネイロ。ハイチ支援キャンペーンに参加したジーコ氏