米ユナイテッド航空がブラジルのアズウ(Azul)航空に資本参加

2015年 06月 28日

アズウ航空

アズウ(Azul)航空(ブラジル)のCEO、デイヴィッド・二―ルマン氏率いるコンソーシアムによるタッピ(TAP)航空(ポルトガル)買収のニュースから2週間が経過したが、またひとつ、ブラジルの航空業界からニュースが舞い込んできた。

現地メディアTVグローボ等が6月26日に伝えたところによると、アメリカ合衆国のユナイテッド航空(以下「ユナイテッド」)がアズウ航空(以下「アズウ」)の株式5%を1億USドル(約124億円)で取得する方向で合意したという。

この資本参加によりユナイテッドはアズウとのコードシェアを進め、アズウの経営管理諮問会議に1名分の議席を得ることになるという。

今回の資本参加は増資によるもので、既存株主や経営陣の交代はなく、運営上もコードシェア以外には変更は発生しない見込みだという。

ユナイテッドの財務担当副社長、ジョン・レイニー氏いわく、ユナイテッドは今のところコードシェアと5%の資本参加は適切と考えており、アズウへの影響力をさらに強化することは検討していないとのことだ。

この資本参加は国立民間航空機局(ANAC)と経済防衛行政審議会(CADE)の承認待ちとなっているが、承認後には両社は共同で450以上の区間に一日6000以上の便を運行することになる。

このニュースによりアズウの企業評価額は20億USドルに上がった。一方競業のゴウ航空の市場における評価額は木曜日(25日)の終値で7億ドルだった。

1か月前、アズウはサンパウロ株式市場の市況がよくないことから同市場への上場を断念したと発表している。再度上場の可能性について問われた二―ルマン氏は市況が良くなればそういう判断もあり得る、とコメントしたという。

(文/余田庸子、写真/麻生雅人)