アントニオ・ロウレイロ、レオナルド・マルケス…ミナスジェライス州の音楽家が集中来日
2015年 09月 25日レオナルド・マルケスは、ロックバンドのギタリストとしてキャリアをスタートさせている。2000年代初頭にはジーゼウ(英語のディーゼル、後にウドーラに改名)の一員として活動。バンドはブラジル最大のロックフェス「ロック・イン・リオ」に出演したり、ロサンゼルスでアリシア・キースやマルーン5といったアーティストと同じレコード会社に所属するなど、世界的な活躍を収めた。
その後レオナルドは、自身のルーツである、ミルトン・ナシメントやロー・ボルジェスらによる音楽ムーヴメント「街角クラブ」の音楽に徐々に傾倒していった。ウドーラの仲間だったチアーゴ・コヘアと共に新たなバンド、トランスミッソールを結成したレオナルドは2006年に帰国する。
トランスミッソールはベロオリゾンチを拠点に活動していたが、ミナスのみならずブラジルのインディー・シーンの最重要バンドのひとつに数えられるまでに成長した。その音楽はブラジルのメディア「iG」に、ビートルズ、ロス・エルマーノス、ミルトン・ナシメントからの影響がうかがえると評された。ミルトン・ナシメントのカバー「ナーダ・セラ・コモ・アンチス」を収録したセカンドアルバム「ナシオナウ」(2011年)には、マルーン5のギタリスト、ジェームス・ヴァレンタインも参加している。
2012年には自らレーベルを立ち上げ、ソロ・アルバム「ヂーア・イ・ノイチ・ノ・メズモ・セウ」を発表。そして今年、2015年には日本のレーベルから「クルヴァス、ラードス、リーニャス・トルタス、スージャス・イ・ヂスクレタス」をリリース。このたび初来日公演へと至った。
ロサンゼルス時代に衝撃を受けたと言うエリオット・スミスやジョン・ブライオンとの出会い、ヴィンテージ楽器店で働いた時の経験や人脈により、レオナルド・マルケスは自身の音楽的能力を大きく開花させた。
とりわけ録音に関する知識や興味が増したことで、1970年代に作られたブラジルを代表するレコードたち、ジョルジ・ベンの「ア・ターブア・ジ・エズメラウダ」やチン・マイアの「チン・マイア・ハシオナウ」、そして「街角クラブ(クルービ・ダ・エスキーナ)」といった作品のレコーディングに宿る”魔法”に取り付かれたことのだとか。
現在では自身の音楽活動だけでなくレーベル/スタジオ・オーナー、またレコード・プロデューサーとしてリオやサンパウロでも活躍。レーベルで音楽フェスティバルを主催するなど、インディペンデントながら様々なプロジェクトの中心を担う、新世代ミナス音楽シーン、最大のキーマンである。
今回の日本ツアーではソロ公演の他にミナス音楽をテーマにしたイベント「トーキョー×ミナス」にも出演が決まっている。共演は “トロピカリアmeetsはっぴいえんど” などと称され2010年代の最重要バンドの1つと目されるツチヤニボンド、更には繊細なメロディと丁寧な音作りで唯一無二のポップソングを作り続けるキセルという、日本のインディー・ミュージック・シーンで絶大な支持を得る2つのバンドが出演。「街角クラブ」をキーワードに、ブラジルと日本のミュージシャンが21世紀の東京でコラボレートするエキサイティングな一夜になりそうだ。
レオナルド・マルケス来日公演スケジュール
9月28(月)
「レオナルド・マルケス ソロライブ・イン・東京」
出演:LEONARDO MARQUES(レオナルド・マルケス)
19:00 open 20:00 start
会場:下北沢 「風知空知」(fu-chi-ku-chi)
http://fu-chi-ku-chi.jp/
前売 3,000 円 (+1drink)/当日 3,500円 (+1drink)
電話予約 03-5433-2191(17時~26時)
風知空知メール予約 yoyaku@fu-chi-ku-chi.jp
※注意/当日は先着順整列入場・自由席でございます。
問:風知空知 03-5433-2191
10月4日(日)「トーキョー×ミナス」(月見ル君想フ 11周年Anniversary イベント)
出演:LEONARDO MARQUES(レオナルド・マルケス)、ツチヤニボンド、キセル
18:30 open 19:00 start
会場:青山 「月見ル君想フ」
http://www.moonromantic.com/
前売 3,800 円 / 当日 4,300円 + 1 drink オーダー
チケットの購入
e+
http://eplus.jp/sys/T1U14P0010163P0108P002165048P0050001P006001P0030001
(文/江利川 侑介(disk UNION)、写真提供/unimusic)