オスカー・ニーマイヤーが手掛けたデジタルテレビ塔、再公開へ
2015年 10月 10日ブラジリアのデジタルテレビ塔が、来週月曜の10月12日、ブラジルのこどもの日のプログラムに合わせて再公開される。ブラジルの現地メディア「R7」が伝えている。
オスカー・ニーマイヤーが建築を手掛けたブラジルのデジタルテレビ塔はブラジリアの衛星都市のひとつソブラジーニョにあり、通称「セハード(中央高原にあるサバンナ地帯)の花」とも呼ばれている。
“ピクニック”と呼ばれる、何千人もの来客を呼ぶ恒例で行われていたイベントに加え、子どもたちのための音楽や食べ物、ワークショップが開催される。絵葉書の写真などで有名な展望台ではヨガのセミナーも開催される。
連邦直轄区のジャイミ・ヘセーナ観光局長によると”ピクニック”は思い切ったイベントだという。創造性と革新性をもって観光プロジェクトを充実させて観光客を誘致したい考えだという。
ジャイミ観光局長は、ブラジリアも、世界の観光産業において新しいトレンドとなりつつある「クリエイティブ・ツーリズム」を取り入れていくことが重要だと説いた。「クリエイティブ・ツーリズム」は、旅行者が訪問する土地の文化や歴史や自然などを、ワークショップや体験型のアートイベントなどクリエイティブな体験を通して学ぶことで、旅行者個々がかけがいのない体験を作り上げるという旅のスタイル。観光局や施設が提供する情報を受動的に得るケースが多かった従来型の観光旅行とことなり、観光客個々が能動的に自身の知的好奇心を満たすことができると考えられている。
「都市は、アート、グルメ、人々のライフスタイル、路上イベント、新たなビジネス、テクノロジー、戦略などの文化に、訪問する旅行者がどっぷりとつかることができる可能性を
提供しなければなりません。ありきたりではない特別な場所でこそ、真に革新的でユニークな体験を得ることができます。こうした取り組みは地域経済を活性化させていくでしょう」(ジャイミ・ヘセーナ観光局長)
ところで、このデジタルテレビ塔はオスカーニー・マイヤーによって設計された建築物だ(次ページへつづく)。
(文/麻生雅人、写真/Gabriel Jabur/Agência Brasília)