日本在住のブラジル人空手家、水を使わない自動車洗浄剤を発明

2015年 10月 31日

水を使わない洗車剤

新宿にあるメガシステムという会社の代表を務める三好フェルナンドさんは、ブラジルから日本に来てジャパン・ドリームを体現した日系ブラジル人の一人である。

フェルナンドさんは、水を一切使わずに洗車とWAXができる「EcoShine Professional(エコシャイン プロフェッショナル)」という商品を発明、9月に発売するやたちまち評判に。10月13日には自社のサイトでの販売もスタートした。

寿司が好物というフェルナンドさんは、食事は毎日、日本食でもいいと断言するほど日本の生活に溶け込んでいる。年に一度のお正月には、おせち料理とお餅が楽しみで、納豆も食べられるという。現代日本人も顔負けの、大の親日家だ。あえて苦手な日本食は? と尋ねてみたら、少し考えてから「ウニ」と答えた。

フェルナンドさんが来日したのは1996年、17歳のとき。単身で来日したという。目的は日本の空手を学ぶためで、いわゆるデカセギではなかった。なんと、本場日本で空手のチャンピオンになりたかったのだという。

水を使わない洗車

日本で武道を学びたいと考えたきっかけは祖父の影響だった。いついかなるときも礼儀正しくふるまっていた祖父が、フェルナンドさんに日本という国を印象付けた。彼から見た祖父はとても努力家で、前向きな生き方が幼い彼にいろんな影響を与えた。そんな祖父から話を聞く毎に、日本の文化に傾倒していったそうだ。

ブラジルにいる頃に現地で人気が高いブラジリアン柔術を経験したが、尊敬する祖父が持っていた日本人の習慣を学ぶことはできなかったという。来日して真っ先に向かったのは、埼玉県にあった空手協会の道場だった(次ページへつづく)。

(文/加藤元庸、写真提供/三好フェルナンド)