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ブラジルで40年以上愛されつづけている小説「ぼくのオレンジの木」、日本語版発売

永田翼

「ブラジル人は誰もがサウダージという気持ちを持っています。だから、移民で(ブラジルに)やってきた人が、(故郷に)ああ懐かしいな、あの時に戻りたいな、あの時は良かったなという気持ちを抱いたとき、その気持ちに敏感に反応することができます。苦しんだりつらいなと思っているときに、その辛さに感応することができる、それがブラジル人だと思うんです」(永田翼さん)

永田さんは、そういうブラジルの温かさが”テルヌーラ”だという。

「それがあるから、外国人がブラジルにきたとき、言葉がわからない、習慣もわからない、人間関係がまだ希薄な中で、ブラジル人に優しくされるとジーンときちゃうんですね。ブラジル人同士でも、例えば子どもが辛いとき、辛さに寄り添って温かく包んであげる、そういう雰囲気がブラジルの社会にはあるんだと思います。」(永田翼さん)

「作品の話に戻りますと、作者のジョゼ・マウロ・デ・ヴァスコンセーロスは、(少年時代)ものすごく敏感な子で、5歳にして父親に叩かれお姉さんに叩かれ、辛い思いをします。そういうときに助けてくれたのは、ポルトゥーガという愛称で呼ばれる、ポルトガルから来たポルトガル人です。このポルトゥーガのような、優しさを持った人たちがブラジルの社会の中には大勢いると思うんです。ジョゼ・マウロ、作者は、5歳にしてテルヌーラという気持ちがいかに大切かを知り、これを伝えていかなければいけないと思ったのだと思います。彼のそんな想いが、この作品には色濃くでています」(永田翼さん)

「私も、ブラジルでのうのうと生活しているわけですが、折に触れブラジル人のやさしさに接しています。そんなブラジルに僕が恩返しをするとしたら何ができるかなと考えたときに、その一つの仕事として、この本を日本語に訳して、日本の人たちにブラジルの優しさや温もり、テルヌーラを伝えることが、ひとつの務めではないかと考えました」(永田翼さん)

永田さんと共同で翻訳を手掛けた松本乃里子さんは、これまでにも「やんちゃなマルキーニョ」(静山社)、「フリッチス ふしぎな色の旅」(桜風舎)など、ブラジルのイラストレイター、絵本作家ジラウド(ジラルド)の作品の翻訳でもお馴染みだ(次ページへつづく)。

(写真・文/麻生雅人)

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