3週間に渡る銀行員ストライキは終結。政治のバトルは依然、混迷
2015年 11月 12日ブラジルではこの時期、さまざまな闘いが起こっている。
10月26日にようやく終結したバトルが、銀行職員のストライキ。19州で3週間にもわたって銀行職員がストを決行。その間、窓口業務は停止し、ATMでの取り扱いのみとなった。10%の賃上げと14%の食費増額で決着したが、一部の州ではそれを不服として未だにストを継続している。
日本で3週間も銀行がストをしたら、大変なことになるのではないかと思うが、ブラジルは大手民間銀行が企業への融資をあまり行っていないことと、実はネットバンキング先進国であるため、ほとんどネットとATMで事が足り、さらに電気や電話料金等については、街の至る所にある宝くじ販売所(ロッテリア)で支払えるため、混乱を来さなかったようだ。
ブラジルは1年働くと、1カ月の休暇取得が権利として労働法で定められているが、それを含めると今年の銀行員は1年のうち2カ月近く休んでいたことになる。
一方、政治のバトルは、魑魅魍魎(ちみもうりょう)なねじれ状況となってきている(次ページへつづく)。
(文/輿石信男(クォンタム)、記事提供/モーニングスター、写真/Tânia Rêgo/Agência Brasil)
10月26日、ストが終結後、はがされるストの張り紙