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3週間に渡る銀行員ストライキは終結。政治のバトルは依然、混迷

クーニャ議員

現職の大統領対下院議長のバトルに、前大統領も加わった三つ巴の闘いになってきた。

国税庁が10月26日に、ルーラ前大統領の三男の経営する会社に贈収賄の疑いがあるとして情報公開を求めるように連邦検察庁に推奨し、ついにルーラファミリーへ捜査の手が及ぶことになった。クーニャ下院議長はすでに、スイスにある複数の銀行の隠し口座が暴露されて、起訴も時間の問題だ。

一方、ジウマ・ルセフ大統領も危うい。昨年度および今年度国庫の不足を補うべく、政府系金融機関に支払いを肩代わりさせたことが先に最高裁から違憲とされ、それを理由に法律学者と野党議員および一部与党議員がルセフ大統領の罷免手続きを請求しており、その進展はクーニャ下院議長に委ねられている。

大統領と下院議長が、どちらが先に敵を追い落として、自分のポジションを守るかの闘いを繰り広げる最中に、両者を批判していた前大統領のファミリーに捜査の手が伸びたことで、関係性が複雑になってきた。

ルーラ前大統領は、自らこしらえたばらまき施策で票田稼ぎの手段であった家族手当(ボッサ・ファミリア)を財政難から切り詰めようとしていたレヴィ財務相と彼を辞めさせないルセフ大統領を批判していたが、一転容認の姿勢を見せ始めた。その一方、クーニャ下院議長とも裏で手打ちをするのではという話も出ている。

この政治バトルは当然、検察庁や裁判所との闘いでもあり、ブラジルの政治が近代化するかどうかの重要な局面なので、うやむやに闇に葬らず、真実をとことん明らかにするべきだが、何とかオリンピックまでには決着してほしいところだ。

さらに、学生たちにもバトルの季節である。毎年10月に行われる全国高等教育試験(Enem)が24-25日に行われ、577万人が受験をした。この試験は、一部の公立大学の入学選抜と、私立大学の奨学金受給者選抜などに使われ、本人にとっても家族にとっても重要である。ブラジルの上位の国公立大学は、授業料が免除となるので、受験生は必死である。洋の東西、いや南北を問わず、受験はまさにバトルであり、さまざまなドラマを生んでいる。

(文/輿石信男(クォンタム)、記事提供/モーニングスター、写真/Lula Marques/Agência PT)
11月4日、ブラジリア、連邦下院議会の会見場。隠し口座疑惑への抗議として、議員の顔が印刷されたドル札の模造札を投げつけられたクーニャ下院議長

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