思い立ったらまっしぐら。ブラジル人女性100キロ減量の成功法

2016年 02月 29日

100kg減量したブラジル人女性

先日、ブラジル国民の3分の2が肥満または超肥満、というデータが発表されたばかりだが、一方で超肥満状態から驚くべき方法で抜け出す人々もいる。

グローボ系ニュースサイト「G1」が2月27日づけで伝えたところによると、ブラジル北部ホンドニア州に100キロ減量に成功した女性がいるという。

その女性とは、同州ポルト・ヴェーリョ市でラジオ番組の司会を務めるイヴァーニ・カスタニェーヂさん。

減量前の体重は175キロだった。

減量し、人生を変えようと決心したきっかけは、自動車教習所に行った時の体験だった。太りすぎで車の運転席に座りきれず、運転免許が取れないことを知ったのだ。

「私が乗り込もうとした時、車の前輪がぺったんこになるのが見えました」(イヴァーニさん)

車の座席に座れなかったこと以外にも生活の中でいろいろな不都合があった。中でも、洋服を買いに行っても自分に合う服がないのでろくに接客もしてもらえないことがとても嫌だったという。

イヴァーニさんが太り始めたのは不妊治療で投薬を始めたころだ。

「結婚をしてから妊娠しにくいことが分かりました。不妊治療のために医者と薬をいろいろ探しました。自分が飲んだ薬は強いホルモン剤を使ったものでした。その薬を飲み始めてから異様に食欲が出て、急激に太るようになりました」(イヴァーニさん)

体重計に乗るたび増えていく体重が心配になり、イヴァーニさんは医者を探し別の薬を飲み始めたが、状況は変わらなかった。

「3か月薬を飲み続けたのですが、中毒状態になっていました。その時点では肥満外来だけが私の食欲を止めることができる状態でした。私はダイエットについて真剣に考えるようになりました。肥満手術はしたくなかったのです。自分は痩せるんだ、自分にはできる、絶対にやってみせる、目が覚めると痩せた新しい自分に出会える、そんな日が来る、と自分に言い聞かせました」(イヴァーニさん)

当時、肥満外来では手術を勧められたが、イヴァーニさんは手術ではなく、もっと健康的な痩せ方を選択した。

「栄養士や食事の専門家を探し、インターネットで情報を集めました。スポーツクラブは役に立ちましたが、最も重要だったのは減量のための食事でした。筋力の増強と食事療法の組み合わせです。今まで通り何でも食べましたが、量は減らしました。例えばピザなら、以前は5ピース食べていたのを今では1ピースの半分まで減らしています」(イヴァーニさん)

100キロ減量まで30か月かかったが、現在は理想体重を達成し、筋肉量も十分に保っている。13歳男児の母として、職業人として充実した日々を送っている。

イヴァーニさんの変貌に最も驚いたのは肥満外来の担当医だった。

「太っていた頃の私を診察していた医師は私が手術もしないで100キロ減量したことを最初は信じませんでした。手術の傷の状態を確認するため検査をしよう、とも言っていました」(イヴァーニさん)

100キロの減量を果たし、イヴァーニさんは今、運転免許証の取得に励んでいる。新しい目標は自分の専門性を高めるために学校に通い、修了することだという。

どんな障害があっても自分を信じて突き進む、一度決めたら必ずやり遂げる - そんなブラジル人女性の覚悟を前に、思わず背筋が伸びるのを感じる。

(文/原田 侑、写真/Arquivo Pessoa via G1)