英国のEU離脱、ブラジルやメルコスールへの影響は!?

2016年 06月 26日

テメル大統領

英国国民がEU離脱を選択—。24日、このニュースは世界中に瞬時に伝わり、有価証券・為替市場に大きな衝撃を与えた。

グローボ系ニュースサイト「G1」ほかブラジルの現地メディアが6月24日(金)に報じたところによると、サンパウロ証券取引所でも2.82%相場が下落したという。

ヨーロッパ市場で相場の下落幅が大きかったのはイタリア(△12.48%)、スペイン(△12.35%)。ヨーロッパ大陸の市況を表すFTSEユーロファースト300指数は△6.65%だった。

業種別では、ヨーロッパ市場で最も下落幅が大きかったのは銀行株だった。

市場の反応の大きさは、英国民はおそらくEU残留を選択するだろうという直前の楽観論の反動でもあるとみられている。

24日の世界の主要市場インデックスの前日比変動率は下記のとおり。

ドイツ フランクフルト DAX △6.82%
フランス パリ CAC-40 △8.04%
イタリア FTMIB △12.48%
スペイン マドリード SSMI △12.47%
ポルトガル リスボン PSI20 △6.99%
英国 ロンドン FTSE100 △3.15%
日本 日経平均225 △7.92%
香港 ハンセン △2.92%
中国 上海 SSEC △1.33%
韓国 KOSPI △3.09%
台湾 TSE △2.30%
オーストラリア S&P/ASX200 △3.17%

24日のブラジルレアルの対ドル為替相場は前日比1.05%ドル安の1ドル3.3397レアルで引けた。

英国のEU離脱に関するブラジル政府関係者の反応は下記のとおり。

ブラジル外務省はこの結果についてブラジル政府は英国民の選択の結果を敬意をもって受け止めつつ、EU離脱したあとも良好な関係を保っていくことを確認した。

商務省長官はブラジルが海外の不安定要因がある中でも安全に渡り歩く準備を整えているとの声明文を発表した。

ブラジル中央銀行もまた、『必要な場合には』『市場機能を正常に機能させる』目的で証券市場及び為替市場に対し様々な手段を講じるとの声明文を発表した。

テメル大統領代行は、メルコスールを重視してはいると発言しつつも、ブラジル政府の外交戦略、つまり世界中のより多くの国々と関係を拡大していくという方針に照らし、メルコスールの枠組みについて再度議論すべきとする政府見解を述べた。

(文/余田庸子、写真/Marcos Corrêa/PR)
写真は6月23日、ブラジリア。記者団とテメル大統領代行(一番右)