パラナ州でピニャォンが豊作。不況で他州のバイヤーが増加!?

2016年 06月 26日

ピニャォン

リオグランジドスウ州、サンタカタリーナ州、パラナ州からサンパウロ州など、ブラジル南部~南西部の大西洋岸森林地帯では、秋~冬のはじめの名物ピニャォンがあちこちで売られている季節だ。

ピニャォンはパラナ松ことアラウカーリアの実で、おおきな松ぼっくりの中にぎっしり詰まっている。一つ一つの実は硬い殻に包まれており、塩茹でや炭火焼にした後に、殻をむいて食べる。ほくほくとしており、栗を少しもっちりさせた触感だ。

6月24日(金)、パラナ州政府は、同州におけるピニャォンの生産量が昨年より上回りっていると広報した。ピニャォンは主に小規模農家の収入源となっている。

4月から始まっているピニャォンの収穫が、まさに佳境に入っていると州政府はアナウンスしている。市場の推計によると生産量は2015年に比べ20%増で、1万2000トンが見込まれているという。地元の農家の中には、年間の売り上げの30%をピニャォンに頼っているところもあるという。

収穫は4月1日からはじまり7月まで行われる見通しで、生産はパラナ州内では中央から南部にかけて、特にグアラプアーバやイラチ、クリチーバ都市圏のいくつかの自治体に集中しているそうだ。

パラナ州環境審議会のジョアン・バチスタ・カンポス代表によると、同州はアラウカーリア(パラナ松)の再生と、持続可能な収穫を実現するため、苗木の配布や収穫期の調節を奨励、ピニャォンの生産支援を行ってきた。現在このパラナ州の名物は、州の40%の土地で見られていたが、今日その割合は3%以下に減ってしまったのだという(次ページへつづく)。

(文/麻生雅人、写真/Mauro Scharnik/IAP)