2020年東京五輪ではブラジル人野球選手が暴れる!?
2016年 08月 16日8月3日、国際オリンピック委員会(IOC)の総会がリオデジャネイロで開かれ、2020年の東京オリンピックで野球・ソフトボールなど5競技が正式に種目として認められた。
新たに競技種目として認められたのは、空手、スケートボード、スポーツクライミング、サーフィン。ブラジルの現地メディア「グローボ・エスポルチ」が伝えている。
こと野球に関しては、現在オリンピック夏季大会が開催されているブラジルと日本は深い関係で結ばれており、日系人が多く活躍している。東京オリンピックの正式種目になったことで、より野球への関心は高まる可能性は高い。
2013年のWBC大会でもブラジルは日本に3-5で食い下がる健闘ぶりを見せた。そのチームで活躍した中には、メジャーリーグで育っている選手もいる。
2015年は、現在も優勝争いをしているインディアンズの正捕手ヤン・ゴメス選手の活躍で大いに湧いた。ヤン・ゴメス選手は2016年はケガ続きで本領を発揮できずにいるが復調を望むところ。
一方、今期メジャーで最も注目されたブラジル人選手となりそうなのがパウロ・オルランド選手だ。現時点でメジャーリーグの選手が出場できるかどうか明らかではないが、出場すれば東京オリンピックでも暴れてくれるだろう。
前回のWBC大会でもパウロ選手は、侍ジャパンの攝津投手(福岡ソフトバンク)から、三塁線をまっすぐ転がす絶妙のセーフティバントを決めるや、その後すぐにディレイドスチールで盗塁。足の速さも披露した。それもそのはず、パウロ選手は元陸上選手で、ジュニア時代の自己ベストはは100mが10秒67、200mが21秒10、400mが46秒58という俊足の持ち主だ。
日本時間2016年8月15日現在で、314打数で打率.334、本塁打4本、32打点で、イチローにも近い打率を稼ぐ選手で、7月7日から数えて、出場した31試合の約半分で複数安打を稼いでいる。ヒットがなかったのはたった6試合だけという絶好調ぶりだ。
もちろん、シーズンはまだ1ヶ月以上残っているので今後の動向は最後までわからない。今シーズンの盗塁もまだ10個で、俊足の能力を活かしきれてはいない。
四死球での出塁が極めて少ないのも懸念材料で、プレート上でのボールの見極めが課題となっている。30代のイチローは年間で40~50個平均で歩いていたが、オルランドはイチローの半分の打席数でまだ7個と少ない。
とはいえ、期待の星であることは間違いない。パウロ・オルランド選手の五輪での活躍、ぜひ見てみたい。
(文/加藤元庸、写真/Divulgação/Corinthians)
写真は2015年11月、コリンチャンスを訪問したパウロ・オルランド選手(右)