テレフォニカとファーウェイ、ブラジルでパブリック・クラウド・サービスを開始
2016年 10月 5日ファーウェイ(中国語表記:華為技術、英語表記:HUAWEI)と、B2B市場で総合通信ソリューションを提供するテレフォニカ・ビジネス・ソリューションは9月30日、OpenStackベースのパブリック・クラウド・サービス「Open Cloud(オープン・クラウド)」と「Cloud Server(クラウド・サーバ)」のサービスをチリ、ブラジル、メキシコで開始した。
この2つの新クラウド・サービスは、顧客企業の既存ITサービスのクラウド移行支援に向けた両社の包括的提携関係に基づいて実現したものとのこと。
ファーウェイは両サービスに、サーバ、ストレージ、ネットワーク、クラウドOSなどの革新的なハードウェアとソフトウェアのほか、専門家による技術サポートも提供している。
「Open Cloud」はテレフォニカのチリ、ブラジル、メキシコにあるデータセンターを拠点とし、同社の、オープンで安全性の高いクラウド・サービスへのコミットメントを示すものとして、コンピューティング、ストレージ、ネットワーク、データベースから、より高度なアプリケーション開発、セキュリティ、アナリティクスまでを網羅する幅広いサービスを提供するという。
「Open Cloud」の特長の1つには、顧客のプライベート・ネットワークや、テレフォニカのその他のデータセンター・サービスへの接続が可能なことが挙げられるという。これにより、顧客は事業を展開する国の法規制に従ってハイブリッドなクラウド環境を迅速かつ容易に実現することが可能となるとのこと。
また、テレフォニカが中小企業の顧客の基本的なITニーズをカバーするためのソリューションとして提案する「Cloud Server」は、すでにブラジル、チリ、メキシコで商用化されており、ファーウェイのクラウドOS「FusionSphere」上で稼働している。テレフォニカとファーウェイによると、本サービスによって、技術に関する知識が乏しい場合でもクラウド・サーバを迅速かつ容易に展開することが可能となり、またこれにより、企業はインフラの管理をテレフォニカに一任し、自社のビジネスに集中することが可能となるとしている。
テレフォニカ・ビジネス・ソリューションとファーウェイは今後も、両社のグローバルな提携関係のもと協業を進め、両サービスをペルー、アルゼンチン、米国でも順次開始し、これらの市場でビジネスを展開するテレフォニカの顧客企業をサポートしていくとのこと。
「今回、記録的な短期間で『Open Cloud』と『Cloud Server』をチリ、メキシコ、ブラジルで開始できたことは、テレフォニカとファーウェイの両社にとって非常に大きなマイルストーンとなりました。ファーウェイとの戦略的技術提携によって、当社は最高の機能を最適な価格と最新のテクノロジーで実現するより優れたクラウド・ソリューションを市場に投入することが可能となっています。今回のサービス開始は、テレフォニカがオープンで安全性の高いクラウドに注力していることの証左であり、今後もクラウド・サービスで最高の製品を提供し、顧客企業のデジタル変革を加速するという目標に向けて前進していきます」(テレフォニカ・ビジネス・ソリューションのホセ・ルイス・ガモ(José Luis Gamo)・B2Bプロダクト&ソリューション ディレクター)
「ファーウェイはテレフォニカとクラウドに関するグローバルな戦略的提携関係を確立し、テレフォニカのすべての法人顧客に先進的なパブリック・クラウド・サービスを提供することを目指しています。ファーウェイのICTへの長期にわたる継続的投資とテレフォニカのB2B市場でのトップクラスの市場開拓力を融合し、高品質かつ革新的な産業指向のクラウド・サービスを企業に提供することで、2社は従来型産業における変革を支援することを目指しています。ファーウェイにとってクラウドは戦略上重要な新しいビジネスであり、同分野への投資を今後も拡大していきます。テレフォニカとファーウェイは今後も協業を通じて競争優位を確立し、市場での成功を目指していきます」(ファーウェイの鄭葉来(チェン・イエライ)・ITプロダクトライン プレジデント)
(文/麻生雅人、写真/Tasso Marcelo)
写真はブラジル、リオデジャネイロの風景