ミス・ブラジルは「星の王子さま」がお好き

2016年 12月 18日

星の王子様 ブラジル

フランス人のアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ(1900-1944)によって1943年に書かれた「星の王子さま」は200カ国語以上に翻訳され、聖書の次に最も売れている本の一つと言われています。

ブラジルでは毎年30万部が売れ続けています。

面白いことに、ブラジルにおいて「星の王子さま」には「ミス・ブラジルの本(livro de miss)」という別名が付けられています。ミス・ブラジルに選ばれた女性が愛読書として名前を挙げることが多いというのがその理由です。

2012年のミス・ブラジル、ジュリアーナ・カバウカンチさん(マラニャン州代表)は、ミス・ブラジルに立候補する前に「星の王子さま」を二度読んだと言います。

「初めて読んだのは9歳の時。15歳の時にプレゼントとしてもらったので、もう一度読みました。この物語は、世界的に知られた寓話であり、目に見えない大事なことを教えてくれます。また、大人として成熟し、責任感を持つことを教えてくれます」と印象に残った理由を説明しています。

80年代に「星の王子さま」は、“文学”としてではなく、幸福感を高める考え方を学ぶ“自己啓発書”としてブラジルで人気を得て、以来、読者数を伸ばしています。

作者のサン=テグジュペリは、作家であるとともに、第二次世界大戦時の軍用機パイロットという経歴も有しています。

(文/唐木真吾、写真/divulgação)
「星の王子さま」、ブラジル版のタイトルは「Pequeno Príncipe(ペケーノ・プリンシピ」)。写真は、マウリシオ・ヂ・ソウザが表紙を手掛けたGirassol Brasil社版(2015年刊)

著者紹介

唐木真吾 Shingo Karaki

唐木真吾 Shingo Karaki
1982年長野県生まれ。東京在住。2005年に早稲田大学商学部を卒業後、監査法人に就職。2012年に食品会社に転職し、ブラジルに5年8カ月間駐在。2018年2月に日本へ帰国。ブログ「ブラジル余話(http://tabatashingo.com/top/)」では、日本人の少ないブラジル北東部のさらに内陸部(ペルナンブーコ州ペトロリーナ)から見たブラジルを紹介している。
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