カテゴリ : column エンターテインメント ブラジル余話
2016年 12月 18日 10:09
フランス人のアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ(1900-1944)によって1943年に書かれた「星の王子さま」は200カ国語以上に翻訳され、聖書の次に最も売れている本の一つと言われています。
ブラジルでは毎年30万部が売れ続けています。
面白いことに、ブラジルにおいて「星の王子さま」には「ミス・ブラジルの本(livro de miss)」という別名が付けられています。ミス・ブラジルに選ばれた女性が愛読書として名前を挙げることが多いというのがその理由です。
2012年のミス・ブラジル、ジュリアーナ・カバウカンチさん(マラニャン州代表)は、ミス・ブラジルに立候補する前に「星の王子さま」を二度読んだと言います。
「初めて読んだのは9歳の時。15歳の時にプレゼントとしてもらったので、もう一度読みました。この物語は、世界的に知られた寓話であり、目に見えない大事なことを教えてくれます。また、大人として成熟し、責任感を持つことを教えてくれます」と印象に残った理由を説明しています。
80年代に「星の王子さま」は、“文学”としてではなく、幸福感を高める考え方を学ぶ“自己啓発書”としてブラジルで人気を得て、以来、読者数を伸ばしています。
作者のサン=テグジュペリは、作家であるとともに、第二次世界大戦時の軍用機パイロットという経歴も有しています。
(文/唐木真吾、写真/divulgação)
「星の王子さま」、ブラジル版のタイトルは「Pequeno Príncipe(ペケーノ・プリンシピ」)。写真は、マウリシオ・ヂ・ソウザが表紙を手掛けたGirassol Brasil社版(2015年刊)
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